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ミステリの祭典

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カンタン刑

作家 式貴士
出版日1979年06月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 クリスティ再読
(2021/10/14 21:25登録)
星新一は「殺人とセックスだけは自分は直接描かない」なんて矜持をもっていたという話があるんだけど、ちょうどそれの対極みたいな作品集である。アイデアストーリーなんだけども、下世話で悪趣味な駄菓子風のあたりが魅力。ショートショートではなくて、普通に短編が9本収録。どれもSF雑誌「奇想天外」に掲載のもの。で...

食事しながらの読書はお控えください

とでも言いたくなるような短編集だ(わかる?)とくに表題作「カンタン刑」ね。悪ふざけ風な作品も多いのだが、たまに情愛がヘンに深いとき「おてて、つないで」とか「Uターン病」があって、何か「犬っぽい」作家の気がする...まあとはいえ、理解不能なほどヘンでもなくて、アイデアはアイデアで分かるんだけど、主人公がとくに奇矯なことが多くて、短編としての昇華がもう一つな印象もある。全体的な出来は玉石混淆、といったところ。でもヘンな勢いはあるか。

No.1 7点 斎藤警部
(2018/02/22 12:40登録)
時間ってやつをディーーープに扱ったハウダニットSFミステリ×おちゃらけ恐怖SFミステリ(×なんっちゃって社会派SF×グロ小説)の金字塔、それが表題作、これはヤバいよ。。 全作面白いですが、ミステリ興味ではまず表題作にとどめを刺すね。 が、変態的奇想押しにエロ(エロスって柄じゃない)と泣けるおセンチが絡み引き立てあうその豊かな作品世界はまるでイっちゃったサザンオールスターズの様で、ミステリ要素は濃い薄いまちまちではありますがミステリファンの皆さまにも是非ご一読を推奨させていただきたい、筒井康隆にも通じるがちょっと違う変態SF大盤振る舞いの、色んな意味で泣かせる一冊であります。

ポロロッカ/おてて、つないで/ドンデンの日/カンタン刑/バックシート・ドライバー/ルパンと竜馬とシラノと/日本が眠った日/不思議の国のマドンナ/Uターン病 
(角川文庫)

なお作者は「ミステリ百科事典」の間羊太郎氏と同一人物であります。

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