home

ミステリの祭典

login
天帝のみはるかす桜火
天帝シリーズ

作家 古野まほろ
出版日2017年12月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 虫暮部
(2018/02/19 09:48登録)
 こんなにあっさり読める『天帝』なんて意義があるのだろうか。エネルギーを削られつつ、“なんじゃそりゃ”と失笑と突っ込みを限り無く繰り返しつつ、息も絶え絶えに終幕へ辿り着く諦念と歓喜の倒錯した合わせ技こそが『天帝』の醍醐味ではないのか。反語的にあの分厚いシリーズ本編への思慕を再確認させられた箸休め作品集。
 「修野子爵令嬢襲撃事件」、まりが最後の瞬間まで『木馬』を把握出来なかったのは、能力の設定と矛盾するのでは。出来たはずのことをうっかり見落としたという意味で“ケアレスミス”と言うことだろうか。

No.1 6点 人並由真
(2018/02/09 13:43登録)
 「天帝」世界のイヤーワンを描く連作中編集。フツーに面白かった。
 といいつつ1話なんか作者が気負うほど特別なことをしているわけではなく、少し考えればすぐ筋道が立つ普通のミステリという感じだけれど。
 あと3つめの話は、これと全く同じネタのものを同じ年(2017年)の、別の作家の連作短編のひとつで読んで、アレレ! であった。これはまあ、たまたま着地点がいっしょだったのでしょうが。

2レコード表示中です 書評