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ミステリの祭典

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スマドロ
改題『スマート泥棒』

作家 悠木シュン
出版日2014年05月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 メルカトル
(2021/01/15 22:28登録)
スマート泥棒―略してスマドロは、閑静な住宅街で白昼堂々、鮮やかな手口で盗みを働き、世間を騒がしている。物語は、ある主婦がスマドロの話題から、自分の半生をどこの誰ともわからぬ電話の相手に延々と喋り続けるシーンから始まる。新たな語り手が登場する度に、彼女をとりまく複雑な人間関係が見えてくる。パズルのようなミステリーの最終章に待ち受ける真実とは!?第35回小説推理新人賞を受賞したデビュー作!
『BOOK』データベースより。

これはミステリではないでしょう。連作短編集とも取れる構成ですが、どちらかと言えば長編だと思います。一章ごとに増えていく登場人物と最後に載せられている相関図がまあ目新しいとは言えるかも知れません。しかし、私には作者が何をやりたかったのか、その意図が確りとは理解できませんでした。スマート泥棒と呼ばれる怪盗の人物像や過去が、関係者の視点から次第に明らかになっていく過程を楽しめば良いのか、それぞれの人生模様を群像劇として読めば良いのか、いずれにしても一種のエンターテインメントと捉えるのが正解かも知れませんね。

それにしてもこの作品が新人賞受賞作とはねえ。ちょっと信じられません。世間では結構評価されているようですが、どうも私には本作の美点を見つけ出す事が出来ません。文体が軽いのでサクサク読める割りには、内容がイマイチ頭に入ってこない感じでしたね。各章が終わるごとにだからどうしたんだって思いましたよ、正直。

No.1 5点 猫サーカス
(2018/01/22 17:32登録)
第35回小説推理新人賞受賞作を第一章においた連作短編集。個人の秘密が下世話な部分まで語られているあたり、アクの強い独特の魅力がある。しかも、およそ無関係に見えた事実が別のエピソードとつながるばかりか、章を重ねるにつれ、より複雑に人間関係が絡み合っていく。まるでワイドショーの司会者が、パネルの隠された部分のシールをはがしていくように、込み入った相関図が明らかになる。語りの妙と斬新な構成の面白さが堪能できる異色作。

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