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ミステリの祭典

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ししりばの家
比嘉姉妹シリーズ

作家 澤村伊智
出版日2017年06月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 ボンボン
(2020/02/26 00:11登録)
ホラーに様々な家庭あるあるをリンクさせた、意外と野心的な作品かもしれない。
コミュ障害のひきこもり、守るべき生活もないのに女は家を守れと言われる主婦、長時間労働の夫、虐待や浮気や介護まで、家庭の問題がこれでもかと詰め込まれている。そのストレスがもう化け物だね。
事の発端となる橋口君家族の顛末、そして果歩のその後。ホラー以上にいやな話だ。
敢えてなのだろうが、映画的バトルシーンが長く、少ししつこいかな。

No.1 5点 HORNET
(2017/11/27 22:34登録)
「ぼぎわんが、来る」「ずうのめ人形」に続くシリーズ3作目。今回は、前2作でライター野﨑とともに活躍した比嘉真琴の姉、琴子の話。
 前作「ずうのめ人形」がホラーの雰囲気十分なうえにミステリとしても味わえて非常にクオリティの高さを感じたが、今回はなんだか「よくあるホラー」になってしまった感が強い。
 夫婦二人暮らしの笹倉果歩は、仕事でほとんど家にいない夫に寂しさを感じながら、ルーティーンのような味気ない毎日を送っていた。そんなある日、幼いころの友達・平岩敏明に町で偶然出会う。お互い既婚となった二人だが、久しぶりの再会に喜ぶ中、敏明は「うちの家庭に遊びにおいで。」と果歩を誘う。招待を喜んで受け、平岩夫妻の家に遊びにいった果歩だが、そこで家中に「砂」が積もっているという異常な光景と、その中で何事もないかのように振舞う敏明の奇行に背筋が寒くなる―
 砂のある家の正体、そこに潜む「何か」と戦う比嘉真琴の姉、琴子。どんどん正気を失っていく登場人物の姿には怖さを覚えるものの、どこかB級ホラーのようなありがち感が漂ってしまい、前作ほどはのめりこめずに読んでしまった。
 次作以降に期待をしたい。

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