謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー |
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作家 | アンソロジー(出版社編) |
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出版日 | 2017年10月 |
平均点 | 5.50点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 6点 | まさむね | |
(2018/10/01 20:49登録) 新本格30周年記念アンソロジー。 姉妹編「白」も合わせ、合計12名の作者さんの作品が揃っています。 テーマはそのものズバリ「館」であるとはいえ、この「黒」の収録作品に純粋な館モノは見当たりません(そもそも「純粋な館モノ」の定義って何だよ…と突っ込まれそうですが…)。そういう意味で肩透かし感を抱く方もいるとは思いますが、広い視点でなかなか興味深い作品もございました。マイベストは、終盤の転換が見事だった井上真偽の「囚人館の惨劇」で、白黒全体を通してもベストの印象。恩田陸「麦の海に浮かぶ檻」と綾崎隼「時の館のエトワール」も嫌いじゃない。 個人的には、作者の顔ぶれから、まずは「白」に興味をそそられて先読した訳ですが、「館モノ」の魔力に捉われなければ、「黒」の方が読み得という印象もあります。白黒両方を読んでみるのも面白いかもしれません。 |
No.1 | 5点 | HORNET | |
(2017/11/06 21:47登録) ◇はやみねかおる「思い出の館のショウシツ」…書籍の世界を仮想体験する”メタブック”なるものが存在する世界の話。その上でのトリック…うん、まあ、わかった。 ◇恩田 陸「麦の海に浮かぶ檻」…これまた仮想世界の話。仕掛けはそれなりに上手いのだが、あまり印象に残っていない。 ◇高田崇史「QED~ortus~ ―鬼神の社―」…作者の名前はよく見ていたんだが、読んだのは初めてかな。神社系の薀蓄多し。ネタは小ぶりだが、短編にはふさわしい。 ◇綾崎 隼「時の館のエトワール」…ラストのひっくり返し方(それまでの騙しも)はこれが一番よかったかな。面白かった。 ◇白井智之「首無館の殺人」…まぁ相変わらずグロいというか、汚い。どんでん返しは意外でよかった。 ◇井上真偽「囚人館の惨劇」…本アンソロジーで一番長い。伏線の張り方と、それを回収しての真相は見事だった。 アンソロジーになるとどうしても変化球をねらうのか、それともこの「黒」の方々はもともと変化球タイプなのか…。どっちもある気がするが、少なくともオーソドックスなミステリは一つもない…と思う。 |