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ミステリの祭典

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紫桔梗殺人事件
冬野尽シリーズ

作家 小嵐九八郎
出版日1988年11月
平均点4.00点
書評数2人

No.2 4点 虫暮部
(2020/10/05 11:42登録)
 困った。全編にちりばめられたユーモアが悉く不発でメタ的に大爆笑。'88年にはこれがアリだったのだろうか。プロットとして0点とまでは言わないが、書き方が全てを駄目にしている。
 “これは、合わないと思った”――結末で犯人が発するこの一行はなかなか印象的。

No.1 4点 nukkam
(2017/08/04 13:32登録)
(ネタバレなしです) 1988年発表のダメ弁護士・冬野尽シリーズの長編ミステリーです。「弁護士尽ちゃん愛殺記」(1988年)に比べると無難なタイトルですが内容的には大差なく、通俗色の濃いユーモア本格派推理小説です。密室状態のマンションの部屋で住人の死体が発見される事件を扱っており、部屋のドア、部屋内部、死体発見現場、そしてマンション全体図と丁寧に描かれた見取り図をいくつも用意して謎解きを盛り上げているところは好感が持てます。とはいえ密室からの脱出トリックはお粗末感が拭えません。他にも色々な工作を施しているのが説明されますが、動機も含めてどこか雑な印象を受けてしまいます。まあ変な人間による変な会話だらけのプロットなので、読者も真剣に謎解きに取り組みにくいかもしれませんが。

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