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ミステリの祭典

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コードネーム・ヴェリティ

作家 エリザベス・ウェイン
出版日2017年03月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点 HORNET
(2018/10/21 12:56登録)
 大戦中のヨーロッパを舞台にした、戦争小説の要素も非常に色濃いミステリ。
 第一部が捉えられた女性捕虜・クイ―二―の手記で、第二部がクイ―ニーの親友・マディの手記。第二部で、第一部の手記に施された仕掛けが明らかになる、という構成になっている。
 とにかく第一部が読みにくい。大戦の構造について知識がないせいもあるが、現実と回想が入れ代わり立ち代わり書かれる展開に混乱し、外国的なユーモアだか何だかを交えた文章にもついていけず、かなり我慢して読み進めた。
 第二部になり、その意味が明らかになっていくにつれ読むスピードは上がったが、個人的には「我慢の前半」という感じだった。

 ミステリというよりは、戦時という困難な状況下での、美しく気高い女の友情といったことがメインテーマだろう。

No.1 7点 小原庄助
(2017/07/31 10:14登録)
敵地に潜入した工作員の物語-ただし、典型的なスパイ小説や冒険小説とはだいぶ趣向の異なる作品。
時は第二次世界大戦中で、フランスに潜入した英国工作員の女性が捕らえられ、親衛隊将校は、彼女に英国の情報を書くことを強要する。
その手記には、ある思惑が隠されていた・・・。
本書は2部構成で、第1部は捕らえられたスパイの手記、第2部はまた異なる視点からの物語がつづられる。
叙述に仕掛けを凝らした超絶技巧のサプライズとは若干毛色が異なるけれど、ああ、そういうことだったのか-とすべてがつながっていく過程に、ミステリとしての快楽を堪能できる。
物語の根幹に関わるため詳述できないのが残念だが、驚きを感動に変えてみせる物語の構築も実に巧妙。

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