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ミステリの祭典

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虹の悲劇

作家 皆川博子
出版日1982年01月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 虫暮部
(2021/12/19 10:34登録)
 二つの話がラストで一つに、と言うのはよくあるパターンだが、本作はかなり強引。それぞれの事件や心理描写は悪くないのに、それを嚙み合わせちゃったせいで首を捻らざるを得ない読後感に。
 なにしろ事件同士はまぁ無関係。その割にバッタバッタと人が死ぬ。“蔓でつながれた小芋” との感慨はなかなかインパクトがあった。
 アイ子の遺体発見時、施錠された玄関の蝶番を外からはずしてドアを開けた、ってそんなドアが普通にあったの?

No.1 5点 nukkam
(2017/05/07 01:04登録)
(ネタバレなしです) 1982年発表のサスペンス小説と社会派推理小説のジャンルミックス型です(こういうのを社会派サスペンスと呼ぶのでしょうか?)。祭りに参加した観光客が将棋倒しの群集に押し潰されて死亡します。被害者が事件前から何かに怯えていたことを知ったツアーコンダクターと被害者の息子が調査を始めます。すると場面は大きく変換し、復讐のための殺人を企てる女性(既に1人を殺した模様)が登場してきます。見事に目指す相手を殺害して現場を去りますが後に発見されたのは何と別人の死体です。これは一体どうなっているんだ、殺したはずの相手はどこに行ったのかと(読者と共に)混乱します。もつれにもつれた2つのプロットは絡み合い、戦時中の社会問題を読者に突きつけるという、予想を超越した展開を見せます。複雑な因縁が悲劇の連鎖を生み出すこの物語、一体どこに正義はあったのでしょうか?

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