浮かんだ男 セーラ・ケリング |
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作家 | シャーロット・マクラウド |
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出版日 | 2016年09月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 5点 | びーじぇー | |
(2020/07/20 20:21登録) ボストンの名士、ケリング一族のセーラは、夫マックスの甥の結婚式を仕切ることになった。その式の最中、マックスは新郎新婦への贈り物の中にセーラと因縁のある宝石セットを見つけてしまう。セットの出所を探るために会場内を捜索し始めたマックスは、ビニール袋に入った人体らしきものを発見する。 次々と発生する事件をコミカルに描きつつ、シリーズを貫くテーマとなっているセーラとケリング一族の過去に完全な決着をつけようとする、まさに集大成というべき物語だ。これまでシリーズを彩ってきたキャラクターも続々と登場し、大団円を盛り上げている。 |
No.1 | 5点 | nukkam | |
(2017/04/11 19:37登録) (ネタバレなしです) おそらくシャーロット・マクラウド(1922-2004)の(アリサ・クレイグ名義作品も含めて)最後の作品となったのが1998年発表のセーラ・ケリングシリーズ第12作の本書です。この作者らしく次から次に色々な出来事が起きますが、シリーズ第1作の「納骨堂の奥に」(1979年)で行方知れずになった宝石が突然見つかることからセーラが当時のことを(決していい思い出ではないのですが)回想することになります。「納骨堂の奥に」では殺人犯が逮捕されて一応の決着を見せてはいますが本書はその後日談の役割を果たしており、シリーズ完結にふさわしいプロットです。作中で「納骨堂の奥に」のネタバレをやっていることからも先にあちらを読んでおくことを勧めます。謎解きは本格派推理小説の推理要素が少なく、ほとんどの真相は犯人自滅によって明らかになります(個人的にはちょっと残念)。 |