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ミステリの祭典

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QED ~flumen~ 月夜見
QEDシリーズ

作家 高田崇史
出版日2016年11月
平均点4.00点
書評数2人

No.2 4点 nukkam
(2019/12/10 21:13登録)
(ネタバレなしです) 2016年発表のQEDシリーズ第18作の本格派推理小説です。「QED 〜flumen〜 ホームズの真実」(2013年)で作者はこれは外伝作品で、「伊勢の曙光」(2011年)がシリーズ完結作ですと宣言していましたが、まだまだシリーズは書き続けられました。あの宣言は何だったんだという突っ込みは野暮でしょう。シリーズファン読者なら新作を読めることを素直に喜びましょう。私のようにそれほどでない読者は...まあそれなりに(笑)。講談社文庫版で300ページに満たないボリュームは「QED 式の密室」(2002年)に次ぐ薄さです。前半は桑原崇が殺人事件の捜査に絡まず、小松崎は「蘊蓄垂れ流しの薬剤師は来てませんですので、話は簡単だと思いますよ」とのたまわってます(笑)。でも後半にその小松崎が崇を事件に巻き込むと読者は怒涛の蘊蓄に押されまくりです(笑)。このプロット展開自体は悪くないと思いますが、殺人事件の謎解きが残念レベルです。手毬唄の歌詞をなぞったような連続殺人が横溝正史の「悪魔の手毬唄」(1957年)を連想させて期待が高まりますが、推理による解決でなく犯人が勝手に自滅したかのような終幕が全く物足りません。不純物を混ぜられたような真相も魅力がありません。

No.1 4点 makomako
(2017/04/02 17:29登録)
終わったと思っていたOEDシリーズ。あの終わり方では当然納得がいかないところがあるので、答えが出るのではとの甘い期待を抱いて読んだが、残念ながら不完全燃焼でした。
 今回はことにタタルの推理と事件の関係性に無理があるようで、さらにタタルの話も凡長でやたら長く感じました。作者のあとがきでは空前絶後といってよいほどの叱咤激励があったとのことですが、それはこのシリーズの読者がナナちゃんの話はどうなったかが知りたいからに違いないからでしょう。
 今回ですっきりさせてほしかった。
 どうやら次も出そうな感じなのですが、なんか終わってしまった話の出し惜しみしているようで。こんな調子ではどうかなあ。
 
 

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