三鬼 三島屋変調百物語四之続 三島屋変調百物語 |
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作家 | 宮部みゆき |
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出版日 | 2016年12月 |
平均点 | 7.33点 |
書評数 | 3人 |
No.3 | 7点 | zuso | |
(2023/05/05 23:04登録) 江戸・神田にある袋物屋の三島屋では、姪のおちかが市井の人々から不思議な話・怪異な話を聞き集めている、変わり百物語のシリーズ第四弾。 今回は亡者が集う家や寒村に出る鬼など四編を収録。宮部怪談の特徴は、哀しみや切なさが残ること。怪異を生んだ人の心の闇を描き、それを主人公と周囲の人々の優しさで包み込む。だから悲しいだけでなく、ぬくもりがある。 |
No.2 | 8点 | ALFA | |
(2022/03/09 07:57登録) それぞれが100ページを優に超える中編四話。怖い話、悲しい話の中に愉快な話も取り混ぜて、読み応えは十分。 第四話「おくらさま」ではおちかの身辺にもいろいろ変化があって、そろそろ「黒白の間」を卒業する気配も漂う。 お気に入りは「食客ひだる神」。いつも腹を空かせている「ひだる神」に憑かれてしまった総菜屋の話。この神様、食いしん坊なだけではなくなかなかグルメで、総菜の出来を豆粒で評価してくれる(ミシュランか!!)。おかげで弁当は大ヒット。店は大繁盛だが、やがてたたりが・・・ そのたたり、ロジックが通っているような通っていないような・・・そもそも憑神に重量なんてあるのかな。 それにしても、江戸前の豪華な弁当のおいしそうなこと。作者が楽しみながら書いていることがよくわかる。 ホラーを読んでよだれが出るとは思わなかった。 どこかで発売してくれないかな。宮部みゆき監修「季節の百物語弁当」 |
No.1 | 7点 | 白い風 | |
(2017/02/20 23:02登録) 三島屋シリーズ、題名を含む4編集。 私はラストの”おくらさま”がおちかの周りの人たちも絡む物語だったので一番楽しめました。 メインは怪しげな話だけど、やっぱりおちかの身近な人間模様もこのシリーズの面白さだからね。 宮部さんの歴史物にはハズレ無しだね(笑) |