| 人ノ町 | 
  
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| 作家 | 詠坂雄二 | 
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| 出版日 | 2016年09月 | 
| 平均点 | 7.00点 | 
| 書評数 | 2人 | 
| No.2 | 6点 | メルカトル | |
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      (2016/11/26 22:10登録) 旅人が世界各地?を放浪し出会う、様々な不思議な出来事。無国籍でありながら旅情を誘う連作短編集。 これは凄いとは思わないがなんかいい。謎もいたってシンプルだがなんかいい。乾いたざらざらした質感がなんかいい。 そう、この作品は読んでいて異国を旅しているような錯覚を覚える、そんな物語なのだ。主人公は旅慣れているので、言葉には困らないらしいし、結構危険な目にあったりもするのだが、落ち着いた言動で余裕をもって回避できる度胸の持ち主だ。そんな旅人とともに放浪気分を味わいたいと思う人にはお薦め。 詠坂氏にしては分かりやすい文体なので思ったより読みやすいし、それぞれの短編がなかなかに印象深いので、長く記憶に残りそうな予感がする。  | 
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| No.1 | 8点 | 虫暮部 | |
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      (2016/11/14 11:34登録) 『女王の百年密室』(森博嗣)や『叫びと祈り』(梓崎優)を想起した。或る種の静謐さに満ちた謎めく物語。実は後半、ネタが割れてしまえばありがちな設定ではあるが、アプローチが上手ければ充分魅力的な世界を構築出来るのだ。外来語を排した文体も乾いた無国籍旅情に的確に寄与している。面白かった。  | 
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