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ミステリの祭典

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緋い猫

作家 浦賀和宏
出版日2016年10月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 人並由真
(2017/01/06 04:50登録)
(ネタバレなし)
 2010年代に甦った西村寿行作品。一気には読んだ。読み応えはあった。ある種の面白さもあった。その上でフィクションとはいえ、本来あんまり近寄りたくない要素もある内容だけど、まあたまにはこういうものもいいかな。
 過去の時代設定が効果を上げてはいる。

No.1 5点 メルカトル
(2016/11/10 22:03登録)
昭和二十四年の東京。プロレタリア文学好きの女子高生洋子は、学生や工員たちの集う喫茶店で、共産主義寄りのリーダー的存在である青年佐久間に惹かれていく。ところが、周りに恋人同士と認められた頃、彼は突如失踪する。洋子は青森にある彼の実家を訪ねるが、それが彼女の運命を狂わせることになるのだった。
というわけで、本格として登録されているが、サスペンスなので読もうと思っている方は(多分いない)、注意されたい。
まあ何となく既視感を覚えるストーリーだし、実際よくあるパターンの物語だが、それなりに新味があるのかと問われれば否と答えるしかない。帯には「息を呑む、衝撃的な結末!」と謳っているが、読者が期待している種類のものとは違い・・・おっとこれ以上はネタバレになるから書けない。
浦賀らしいと言えばそれまでだが、中身が希薄なのはお約束のようなものだ。主人公の洋子と共に過酷な運命を追体験すればそれで十分な作品だと思う。

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