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ミステリの祭典

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捕まえたもん勝ち! 七夕菊乃の捜査報告書
七夕菊乃

作家 加藤元浩
出版日2016年10月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 メルカトル
(2020/06/04 22:37登録)
念願叶って捜査一課の刑事に抜擢された七夕菊乃。しかし元アイドルという経歴のせいでお飾り扱いされてしまい、おまけに、驚異的な洞察力を持つ天才心理学者・草辻蓮蔵と、FBI出身で報告書の書き方に異様な執念を燃やす鬼才、「アンコウ」こと深海安公が繰り広げる頭脳戦に巻き込まれることに!初めて挑む密室殺人事件の捜査は、一体どうなってしまうのか!?「小説でしかできないことをやりました」と著者自ら語る、傑作長編ミステリ!
『BOOK』データベースより。

ちょっと期待外れです。今後このシリーズを読むかは微妙ですね。ライトというか、なんとなくジュブナイルのような感覚で読みました。三つの事件は小ネタを寄せ集めたような感じで、あっと驚くようなものではありません。この辺りは漫画家の限界を感じます。
そして何と言っても致命的なのは、早い段階で大筋が読めてしまうことでしょう。それは主人公菊乃の勘違い的な雰囲気が色濃く作品に表出してしまっている為で、もう誰にでも見抜かれてしまうレベルですね。

まあね、草辻蓮蔵と深海安公の敵対などは面白かったですよ。でもねえ、警察小説としての完成度は低いし、警視庁捜査一課に広告塔として新人の菊乃を抜擢するなどあり得ないことから、リアリティにも問題ありです。それと、わざわざ菊乃をアイドルになる前からご丁寧に描く必要性が感じられません。「黒い奴」ってなんですか?これもあまり意味がないように思いますが。

No.1 5点 人並由真
(2016/11/15 09:57登録)
(ネタバレなし)
 なんか昭和の庶民派サラリーマン小説のOLか、はたまた大衆時代小説の町娘みたいな主人公のヒロイン像はいいんだけれど、新作の長編ミステリとしては冴えません。
 というかこの作品、キャラクターシフトの段階で大ネタが丸わかりで、今どきその手のものまんまはないだろうなと思ってたら、最後はものの見事に案の定でずっこけた(古語)。まあその見せ方には、ちょっとだけ工夫があったけど。
(しかしこの本、××も露骨にネタばらしだね。いいの?)

 ラストはシリーズ化を意識してるんだと思うけど、次の話に続けるにはある難関がクロージングに設定されており、そこをおそらく読者の興味へのフックにしているのであろうことは、推察がつく。
 しかしそのクエストを作者が次巻でどう捌くのかは、すでになんとなく見えるようで…。たぶん、今回はほとんど名前だけの登場で、物語の表面では描かれなかったあの人が、キーパーソンになるんだよね?

 評点は、ヒロインはまあいい子だな、というのと、読みやすさでおまけして5点。
 漫画『Q.E.D.』の方は未読なんだけど、機会があったら読んでみようかと思います。  

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