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ミステリの祭典

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死とやさしい伯父
ヘンリ・ティベット

作家 パトリシア・モイーズ
出版日1983年01月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 4点 nukkam
(2023/04/07 07:19登録)
(ネタバレなしです) 1968年発表の(警視に昇進した)ヘンリ・ティベットシリーズ第8作で英語原題は「Death and the Dutch Uncle」です。「死の会議録」(1962年)のように国際的組織絡みの作品でさえもきっちり本格派推理小説でしたが本書はシリーズ初の冒険スリラーです。本書以降のモイーズは本格派と冒険スリラーを書き分けていくことになりますので個人的にはここからがシリーズ後期だと思います。場末のバーで射殺された男の事件と国際紛争の調停役的な組織の連続怪死事件が結びつく展開なのですが、結びつけ方が強引にしか感じられませんでした。後半には舞台がオランダに移りますが過去作品のように旅行先でたまたま事件に巻き込まれたのならともかく、事件解決のために自ら乗り込むのに妻エミーを帯同させているのも不自然な展開です。それにしても私の知るオランダは小国ながら貿易国としてたくましい国家で国民の大半は英語が堪能なので、オランダ語ができないエミーが委縮しているのも不思議に感じました(まだオランダの英語教育が十分でない時代だったのでしょうか?)。

No.1 5点 ボナンザ
(2017/06/11 11:00登録)
すっかり冒険小説の面が強くなってしまったモイーズ。序盤の本格風が後半跡形もなくなります。

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