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ミステリの祭典

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ラスト・ウェイ・アウト

作家 フェデリコ・アシャット
出版日2016年08月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 八二一
(2020/12/25 20:43登録)
万華鏡を回していくように展開される「テッドの世界」は幻想的な装いを纏って鮮やかに移り変わる。展開の読みようがない奇書。

No.1 7点
(2019/12/20 22:20登録)
アルゼンチンの作家の手になる、アメリカを舞台にした作品。
カバーの作品紹介では「南米発の〝奇書″」とされていますが、日本の三大奇書と比較するなら、『ドグラ・マグラ』に近いタイプでしょうか、と言っても、実は『ドグラ・マグラ』は読んでなくて、松本俊夫監督の映画を見ただけなのですが。ただし夢野久作の難解な原作をうまく整理したと言われる映画と比べても、本作は半ばまではわけがわからないものの、最終的に大部分辻褄が合うようにできています。ここまで論理性に重きを置くなら、最後までもっと徹底してもらった方がよかったかなと思えました。大きく4部に分れた第1部から、異様な現れ方をするオポッサム(フクロネズミ)についてのラストのまとめ方が、疑問に思えるのです。
また、普通にハッピー・エンドにした方が自然だったのではないかとも思いますが、幻覚と現実の融合によるサスペンスは楽しめました。

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