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ミステリの祭典

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内海の輪

作家 松本清張
出版日1974年05月
平均点6.33点
書評数3人

No.3 7点
(2026/09/03 11:37登録)
表題作と「死んだ馬」の中編と短編が所収されている。清張らしい昭和のノワール系ミステリーといった感じだろう。「内海の輪」の主人公は考古学者。「死んだ馬」の主人公は建築家。専門職シリーズかな。

「内海の輪」:7.5点。倒叙ミステリー。気持ちいいほど伏線が回収されていく。結局、主人公は手がかりを残しすぎで、やり方が甘すぎるということなのだろう。運も悪いが、あれでは警察も見過ごさない。心理描写はさすが。でも応援したくなることはなかった。あれだけの悪事をしたのだから破滅は当然の結果だろう。

「死んだ馬」:6点。倒叙・転落モノ。表題作ほどのロジカルな部分はない。善人がちょっとしたことで破滅していくストーリーは本当にうまい。悪女が登場し、ノワール性大の作品だった。主人公は巻き込まれて狂ってしまったという感じだろうか。こちらは少し同情の余地あり。

No.2 6点 蟷螂の斧
(2019/11/11 18:10登録)
(再読)裏表紙より~『新進の考古学者・江村宗三は、元兄嫁の西田美奈子と十四年ぶりに再会し、情事を重ねていた。彼女は二十も年上の男と再婚していた。ある日、宗三は美奈子から妊娠を告げられる。夫と別れ、子を産む決意だという。順風満帆の生活が瓦解する恐怖に、やがて宗三の心に殺意が芽生えていき……。』~
 これほど手垢のついた内容を小説にするということは、よほどの自信の表れなのでしょう。解説(阿刀田高氏)で、著者の作品には考古学者、不倫、偶然が多いと言っています。本作も偶然が重要な要素なのですが、これは許せる範囲(笑)。殺人までの心理描写よりも、事件後の考古学者らしい心の動きがポイントですね。

No.1 6点
(2016/08/17 16:16登録)
表題作と『死んだ馬』の犯罪小説2編を収録。
連作『黒の様式』第6話として最初『霧笛の町』のタイトルで書かれた表題作は文庫本で200ページぐらいの短めの長編です。瀬戸内の町を巡る半分ぐらいまでは、こんなに長くする必要があるのかなと思っていたのですが、その後主人公にやっと殺意が芽生えてきてからは、ここまで引き延ばしているからこその作品だなと思えました。『古代史疑』等を著した作者らしく、遺跡発掘もストーリーに絡んできて、そこから(当然そうなるんでしょうねという感じではありますが)ある偶然が警察の疑惑を引き起こすことになります。最終的な証拠については、最初の方に出てくるのが鮮やかに決まりますが、その部分を読んだ時何となく伏線じゃないかと予測できました。
中編『死んだ馬』は悪女と、彼女に翻弄される才能ある建築設計家を描いた犯罪小説で、まあまあといったところでしょうか。

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