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ミステリの祭典

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暗殺者の反撃
暗殺者“グレイマン”(コートランド・ジェントリー)

作家 マーク・グリーニー
出版日2016年07月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 YMY
(2024/03/12 22:26登録)
グレイマンは、ワシントンDCに潜入し、アメリカ政府を敵に回し、序盤は資金と武器の調達、アジトの構築にはじまって、多彩な戦闘場面がこれでもかと詰め込まれている。
アイデア満載なので知的スリルも充分だし、戦闘員、スパイマスター、官僚、ジャーナリストなど多視点による語りも完璧。陰謀をめぐる意外な真相まで仕掛けられており、スティーヴン・ハンターの「狩りの時」を想起させた。

No.1 7点 kanamori
(2016/09/17 16:02登録)
孤高の暗殺者コート・ジェントリーは、世界各地で5年にわたりCIAの刺客の群れと死闘を繰り広げてきたが、反撃に転じるべく故国アメリカに上陸、ワシントンDCに潜入した。それを知ったCIAの国家秘密本部長カーマイケルは、外国人暗殺集団らを使いグレイマン狩りを開始する--------。

”グレイマン”(人目につかない男)の異名を持つ元CIA特殊工作員で凄腕の暗殺者コートランド・ジェントリーを主人公とするシリーズの第5弾。マンネリ感なく、今作も面白く読んだ。
シリーズ各話はいちおう独立していますが、”目撃しだい射殺”というCIAのグレイマン抹殺指令が常に物語の背景にあり、今回はその謎の部分を明らかにすることが中核になっているので、シリーズ第1ステージの最終作という趣きがあります。
序盤の、武器や資金の調達という準備段階のディテールから、中盤以降は、例によって多彩な活劇・戦闘シーンの連続で全く飽きさせません。ワシントン・ポスト紙の男女記者や、CIAの女性上級局員、ジェントリーの特殊工作員時代の仲間など、わき役陣とジェントリーとの絡ませ方のさじ加減も絶妙で、(終盤の、女性記者による活躍が都合よすぎるのが気になりましたが)、往年のエスピオナージュ物を彷彿とさせるラストまで、スリリングな展開を堪能することができました。
上下巻850ページを超える長尺なので、一気読みとはいかないものの、スティーヴン・ハンターのスワガー・シリーズなどが好きだった人には躊躇なくお勧めできる冒険小説の傑作シリーズです。

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