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ミステリの祭典

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ブッポウソウは忘れない
改題『とり研の空とぶ事件簿』

作家 鳥飼否宇
出版日2016年07月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 人並由真
(2016/08/17 13:10登録)
(ネタバレなし)
 著者の作品を読むのはこれでまだ4~5冊目だが、こういう衒いのないタイプの連作ミステリも書けるのか、と軽く驚かされた感じ。
 ミステリとしての妙味は、kanamoriさんのご講評ですでに的確に語られているので特に大きく付け足すことはない。
 第4話のキーワードの部分の伏線は難しくなかったが、意外に広がっていった事件の流れを最後まで先読みするのはちょっとタイヘンだった。あと同じ第4話の前半で、普通ならいちいち名前まで書かないであろうある脇役までしっかり名を設定してあったのは意図的なミスディレクションだったのだろうか。
 続編はもう数冊書ける感じだから、シリーズ化してほしい。××××にもなりそうな、主人公の青春模様の方もちょっと気になるし。

No.1 5点 kanamori
(2016/08/14 11:14登録)
野鳥の生態を調べる大学の研究室に所属する”ボク”こと、大学生・宗像翼の周りで起きる”日常の謎”5編からなる連作短編集。

奄美大島に住み、地元の”野鳥の会”会長を務めている作者らしく、野鳥の生態の薀蓄と、謎解きとを上手く絡めたライトな作品集になっています。
三匹の猫のなかで、どれが野鳥のヒナを殺したのか?という第1話、ツンデレ美女が書いたラブレターの相手はだれか?という第2話、変わり者の先輩研究員の不可解なケガの秘密の第3話と、いずれも提示される謎はたわいもないものばかりですが、”思い込みや先入観による誤解から生じる謎”というのが、連作を通して共通する要素となっているのが面白いところです。
実験室で発生した事件の犯人を、インコが告発したように見える第4話が、編中で最も本格ミステリをしていて、伏線の回収と意外なところから飛び出す犯人というフーダニットとしてプロットがよく練られてます。また、連作を締めくくる第5話も(だいたい予想がつくとはいえ)ハートウォーミングなラストシーンが印象的です。

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