home

ミステリの祭典

login
トリプルプレイ助悪郎
JDCトリビュート

作家 西尾維新
出版日2007年08月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 メルカトル
(2019/01/12 21:54登録)
岐阜県の山奥―裏腹亭。偉大な作家・髑髏畑百足が生活していた建物に、その娘であり小説家である髑髏畑一葉はやってきた。三重殺の案山子―刑部山茶花―が送りつけた予告状から事件は始まる―。気鋭・西尾維新が御大・清涼院流水の生み出したJDCワールドに挑む!維新×流水=無限大。
『BOOK』データベースより。

前作『ダブルダウン勘繰郎』に比べて格段に本格度が増しています。しかも、今回はJDCの探偵が二人(正確には三人)も出てきてサービス精神も大いに感じます。だからと言ってJDCらしさが出ているかとなるとそうでもない気がします。まあ、作者が違うのだから仕方ないでしょうが、その代わり西尾維新の本領を発揮していると思います。
メインは密室ですが、トリックが意表を突くものでさすがにこれは見抜けないですね。さすが西尾、こうした本格ものを書かせても凡人の発想にはない才能を感じさせます。ただ、やや無理があると言えなくもありません。ご都合主義とまではいかなくても、んん?って感じの不自然さが気になります。

トリビュートもいいですが、九十九十九や龍宮城之介辺りを主人公にしたパスティッシュも読んでみたいですね。

No.1 6点 虫暮部
(2016/07/14 11:06登録)
 リュパンや二十面相で育った身にしてみれば、大泥棒はひとを殺さないものだと相場が決まっているのである。従って“一回の盗みにつき三人殺す”という設定は掟破り、いやむしろコロンブスの卵?であるが、しかしそれはなかなかぞくりとさせられる妖しさを放っている。叙述トリックそのものはともかく、それを結構無茶な設定と絡ませるところがいかにも西尾維新そしていかにもJDCトリビュート。文体も含めて気持悪さが快い。

2レコード表示中です 書評