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ミステリの祭典

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魔術的な急斜面
改題『古書収集十番勝負』

作家 紀田順一郎
出版日1991年08月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点
(2013/03/09 13:13登録)
題名からは、「ビブリア古書堂」のような連作短編を想像していたが、読み始めると、古書店の店員同士がしのぎを削りながら十冊の古書を収集していくという長編小説であることがわかった。そして、さらに読み進めると謎解き推理ものの様相を呈してきて、びっくり。とはいえ、推理は日常の謎といってもいい程度のものなのだが。

いちばん楽しめたのが、古書収集に絡む人間模様。可笑しな人たち、というよりもむしろ品性下劣な人たちが織り成すビブリオバトルはなかなか楽しかった。
書籍といえば知的なイメージを持たれそうだが、古書を必死に買い漁る人たちなんて、みなこんな感じなのかな。
全体的にちょっと陰気くささもあったが、そんな陰気くささよりも、ユーモアというか、古書収集に必死になっている人たちから発せられる自然な可笑しさが勝っていて、息抜きにはもってこいのミステリーだった。

No.1 7点 Tetchy
(2007/11/24 18:58登録)
ミステリというよりもビブリオ・コン・ゲーム小説といった方が正鵠を射ていると思う。
題名から想像していたような1冊1冊の鬼気迫る争奪戦といった趣きでないのが残念。
でもやっぱりこの人の古本収集を扱ったミステリはホント面白い。

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