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ミステリの祭典

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吸血鬼飼育法
片岡直次郎/別題「一匹狼」

作家 都筑道夫
出版日1968年01月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 虫暮部
(2019/12/05 12:47登録)
 期待した程ではなかった。トラブルをアッと驚く奇策で解決、するかと思ったら結構な泥縄式対応。キャラクターが違えばもっと楽しめそうな気もするし、基本設定と持ち込まれるネタがマッチしていないのでは。特に、多数の共犯者で事件を演出する話は、それなりに捻ってあっても首肯しがたいな~。

No.1 5点 kanamori
(2016/07/28 20:37登録)
渋谷に”faa”(ファースト・エイド・エージェンシー)という事務所を構える”なんでも屋”のトラブルシューター、片岡直次郎を主人公にした4編収録の連作中編集(初出時のタイトルは『一匹狼』)。

片岡直次郎が、のちに物部太郎の相棒として登場する「七十五羽の烏」以下の長編パズラー3部作とはだいぶテイストが違っていて、腕っぷしで難題を解決するハードボイルドというか、アクション・スリラー風の内容のものが多い。
警察に包囲された強盗殺人犯の脱出を引き受ける第1話や、強姦願望の男からの依頼を受ける第4話は、悪事にもためらいなく手を出しながら、当初の依頼内容から外れて、ストーリーがどんどん予想外な方向に展開してゆくプロットが面白いです。アクション・シーンで飛び出す”007”ばりのアイデアも凝っていて、「なめくじに聞いてみろ」ほどではないですが、それに近い味わいがあります。
ライフル男に女性とともにエレベーターに閉じ込められる第3話のみ”巻き込まれ”タイプのアクション・スリラーになっていますが、これは平凡な出来で読みどころが見当たらない。
吸血鬼の系譜だと信じる女性からの依頼で、夫の代役として新婚旅行に同伴することになる第2話が、編中ではもっとも謎解きミステリらしい構成になっていますが、真相に意外性はあるものの、ロジックや推理の要素は希薄でした。

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