home

ミステリの祭典

login
泥の文学碑
短篇集

作家 土屋隆夫
出版日1981年04月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 6点 虫暮部
(2024/12/20 13:00登録)
 物凄く個性的と言うわけではないが、「空中階段」など、ポイントを的確に絞っている作品はウィットの効いたミステリ短編として悪くない。

 しかし――表題作では、架空の作家の設定にやけに力を入れているので、連城三紀彦みたいなことをするのかと思ったら、事件は別件で拍子抜け。
 長い手紙、長い電話、主人公が遭遇する奇妙な出来事、が実はまるごと犯人のデッチアゲ、と言う作品が幾つかあり、それではつまらない。作の中軸になる面白いエピソードが “嘘でした” って……。

No.1 8点 斎藤警部
(2016/01/26 18:37登録)
空中階段 /りんご裁判 /ある偶然 /虚実の夜 /盲目物語 /夜行列車 /穴の穴 /泥の文学碑
(角川文庫)

これは充実の短篇集ですね。創意ある復讐譚の表題作からして本腰が入っている感じ。言うだけ野暮ですが文芸作としても(勿論ミステリとしても)抜群の冴えと味わいの作品群です。日本に生まれて良かった!

2レコード表示中です 書評