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ミステリの祭典

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新任警部補
旧題「凶刀『村正』殺人事件」

作家 佐竹一彦
出版日1993年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/01/23 03:50登録)
(ネタバレなしです) 佐竹一彦(1949-2003)は警察官出身のミステリー作家で作家生活は非常に短く、10作にも満たない作品を残しただけですが警察描写のリアリティーでは他の追随を許さないと評価されています。1993年発表の本書が長編第1作になりますが発表当時は「凶刀『村正』殺人事件」というタイトルでした(私が読んだのもこちら。いかにも警察小説っぽい今のタイトルだったら多分手に取らなかったと思います)。刀剣による殺人、密室、名刀(凶刀?)「村正」探しといった本格派推理小説的な派手な謎と地道で丁寧な捜査の組み合わせで読ませる作品です。現場を知らない新任警部補を主人公にしているのも新鮮ですが、この人独力での解決に持っていかないところが警察小説ならではでしょうね。第8章最後でのどんでん返しも本格派推理小説を期待する読者は「異色」に感じるかもしれません。密室トリック(こんなの通用するのかと思うぐらい単純なトリック)を犯人の自白で明らかにしているのも本格派を期待していた私にはちょっと拍子抜けでした。

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