home

ミステリの祭典

login
新任警部補
旧題「凶刀『村正』殺人事件」

作家 佐竹一彦
出版日1993年01月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 たかだい
(2025/03/16 22:37登録)
古の推理小説の王道パターンを地でいく安定したスタイルと、元通訳係で現場経験はからっきしの警部補を主役に据えるという今時のミステリーでもあまり見ない奇抜な設定が内混ぜになった独特の警察小説
とある老夫婦が何者かに惨殺され、しかもその状況は家の鍵は全て閉められた密室であり、凶刃を振るった犯人は忽然と消え失せてしまった…いわゆる雪の密室を扱った本作であるが、そのトリックというか真相は中々面白く、(犯人以外)誰が悪いとも言えないリアリティがあって興味深かった
一方、そう言った話の核心については供述調書という形で犯人自身の口で語られる辺りも個人的には新鮮に映った部分で、昨今の警察小説と比べてもやはり本作の立ち位置は独特だと改めて思います
ついでに言うと、こんなにもセンス0の改題も珍しいなと少々呆れる思いもあり、正直この改題されたタイトルを見て「面白そう」と手に取ることはほぼないと断言出来るくらいには魅力を感じません。その点は非常に勿体無く思う一方で、カッパ・ノベルス版の方を知れて本作を読めた事はある種の幸運だったと言えるかも知れません

No.1 5点 nukkam
(2016/01/23 03:50登録)
(ネタバレなしです) 佐竹一彦(1949-2003)は警察官出身のミステリー作家で作家生活は非常に短く、10作にも満たない作品を残しただけですが警察描写のリアリティーでは他の追随を許さないと評価されています。1993年発表の本書が長編第1作になりますが発表当時は「凶刀『村正』殺人事件」というタイトルでした(私が読んだのもこちら。いかにも警察小説っぽい今のタイトルだったら多分手に取らなかったと思います)。刀剣による殺人、密室、名刀(凶刀?)「村正」探しといった本格派推理小説的な派手な謎と地道で丁寧な捜査の組み合わせで読ませる作品です。現場を知らない新任警部補を主人公にしているのも新鮮ですが、この人独力での解決に持っていかないところが警察小説ならではでしょうね。第8章最後でのどんでん返しも本格派推理小説を期待する読者は「異色」に感じるかもしれません。密室トリック(こんなの通用するのかと思うぐらい単純なトリック)を犯人の自白で明らかにしているのも本格派を期待していた私にはちょっと拍子抜けでした。

2レコード表示中です 書評