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ミステリの祭典

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バビロンの迷宮

作家 天野裕美
出版日1992年10月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 たかだい
(2025/05/05 21:13登録)
パソコン通信の黎明期に、PCゲームをテーマにして書かれた当時としては先鋭的な作品
スマホが普及し、SNSも数多ある現在、パソコン通信に掛かる費用だのフロッピーだの絶妙に古くて懐かしい部分も多く出てくる内容でした
とは言え、そう言った時代背景の古さはありますが、作品としての質は高めな気がします
二転三転する展開は(最終的な真相も含めて)面白いですし、キャラクターも自然体で良かったと思います

No.1 5点 nukkam
(2016/01/23 03:08登録)
(ネタバレなしです) 斎藤栄のミステリー講座を受講した天野裕美(あまのゆみ)(1957年生まれ)の1992年発表のデビュー作です。ファンタジー小説か冒険小説みたいなタイトルですが普通に現代を舞台にした本格派推理小説です。ゲーム好きな学生たちが大勢登場し、多少ご都合主義的なところがあるものの軽快なテンポの展開とどんでん返しの謎解きが楽しめます(動機はややひねり過ぎにも感じますが)。パソコン通信やフロッピーなど現代ではあまり使わなくなった用語やツールも散見されますがストーリーの流れを妨げるほどではありません。それにしても斎藤栄は本書の講談社ノベルズ版に推薦の辞を投稿しているのはまだしも、自作の「Sの大悲劇」(1993年)(私は未読です)に天野を出演させたりして一体どういう師弟関係なんだと下種の勘繰りを招きそうなことをやってますね(笑)。天野も恥ずかしくなったのか本書以降作品を発表していないようですが...。

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