皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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yoshiさん |
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平均点: 4.55点 | 書評数: 116件 |
No.2 | 6点 | 聖女の毒杯- 井上真偽 | 2016/07/16 22:53 |
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「全ての可能性を否定して奇蹟の存在を証明する」がウリのシリーズ二作目です。
ちょっと考えてもわかることですが、奇蹟の存在なんて証明できるわけがありません。 よって奇蹟を証明したかのように見せかけて、実は・・・という流れになることは予想がつきます。 しかしそんな窮屈な設定の中、作者は最大限の健闘をしたと思います。 しかし花嫁の足袋が濡れていたことから、家政婦がカスミ様の祠まで往復したという論理は、かなり強引(他に可能性はいくらでも考えられるはず)。それに誰もツッコまないのは不自然……等々、細かいことが気になりました。まあそれを言ったらキリがないですが。 ただこの作者、キャラクターを作るのは巧いですね。少々ラノベ的ですが。フーリンは前作から際立っていましたが、今回は少年探偵のキャラが好きになりました。 |
No.1 | 5点 | 恋と禁忌の述語論理- 井上真偽 | 2015/08/11 03:11 |
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新しいことをしようとしている意気は買いたい。
だがミステリーというのは言葉のロジックで読者を納得させるジャンルであり、 この作品も数理論理学を持ち出しながら、最後は結局言葉のロジックで説明されおり、 二度手間感がある。 そのロジックも多少穴があり、たとえば第三の事件、イリーナが主人公を朝の6時に叩き起こし、それからずっと一緒にいる。そしてオルガが離れから戻って来るところを周防が目撃することで、イリーナのアリバイが成立、しかしオルガは両手が使えないので犯行不能という感じで謎が深まり、バイロケーションだの奇跡だの大層な話になって行くのだが、そんな朝早い時間に周防が起きて自分を目撃してくれることをオルガは事前に知ることはできず、もし誰も目撃してくれなかったらイリーナのアリバイは不成立、彼女が夜中に往復して殺したという結論になってしまいます。 これはちょっとまずいですね。 |