皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
シーマスターさん |
|
---|---|
平均点: 5.94点 | 書評数: 278件 |
No.6 | 6点 | 奇面館の殺人- 綾辻行人 | 2012/01/17 20:31 |
---|---|---|---|
ひっさびさの本家館シリーズ、個人的には黒猫館以来の感。
で、西暦二千二桁代にもなっての今更ながらの「仮面モノ」(設定は1993年というのがまた上手い)・・・どう料理してくれるのかと思いきや・・・確かにこんな仮面モノはなかっただろう、というより既存の仮面モノのイメージを巧く利用しているといってもいい。 雰囲気も懐かしい「あの」館シリーズ・・・・・どちらかというと水車館や迷路館に近い感じを覚えるが、(あとがきにも書かれているように)物々しさ、おどろおどろしさはそれらに比較すると明らかに薄いアトモスフィアになっている。(これもあとがきに書かれているとおり)作者も大人になりすぎちゃったかなぁという感も。 ミステリ的には、謎の形はとてもソリッドでパズラー心をくすぐられるものだが、推理過程は若干?な部分も・・・相変わらず細かい伏線を多用した上で、一見緻密な論理で詰めているようにも思えるが、よく吟味すると鹿谷の(確固たる論拠の乏しい)推測や単なるひらめきを積み重ねた部分も少なくない考証の上の解答、という印象は拭えず、ミステリ三昧さんの仰るとおり自分もロジックの緩さは気になりましたね。それでもトータルとしては館シリーズの阿部怜二といったところか。 まぁ何だかんだ言っても、やっぱ「館」は新本格王道の香りに溢れていていいなぁ。 綾辻さん、あと一作と言わずに。 |
No.5 | 7点 | Another- 綾辻行人 | 2012/01/17 20:22 |
---|---|---|---|
前半は暗黒館が思い出される「思わせぶりなダラダラ展開」に少々辟易したし、作者が思いついたトリックやロジックを生かすためのルールが支配する非現実設定・・・という西澤や山口の作品でよく見られるパターンもあまり好きではないが、メイントリックには綾辻作品の醍醐味とも言える驚きを味わえたし、終わってみれば結構物語に浸れたなーという余韻も味わえたのでトータルとしては丸。
しかし・・・・・こんな学校、これだけの死亡実績、いくら黙ってても忽ち全国的にスポットライトを浴びちゃうってw それに当事者になったら絶対逃げ出すってw 学校側は何を考えてんだかw ところでこの作品、アニメでテレビ放映中らしいが・・・・・・????? |
No.4 | 6点 | 緋色の囁き- 綾辻行人 | 2010/04/01 00:03 |
---|---|---|---|
最近では『小公女セイラ』(昨年末テレビでやってたやつ)の舞台としても使われた「全寮制の名門女学園」という(フィクションでは大抵陰湿の宝庫にされる)シチュエーションに綾辻らしいケレン味が惜しみなく塗され、内容もサイコホラー系ミステリーとして纏まりのいい出来になっていると思うが、こういう話は生理的に、自分のような普通の女子高生には合いませんね |
No.3 | 6点 | びっくり館の殺人- 綾辻行人 | 2010/01/27 23:54 |
---|---|---|---|
(ネタバレあり)
結局叙述トリックだったわけだが、これ自体はさほど悪くはないと思う。 一番疑問に感じたのは「〇〇二人が揃って、警察の事情聴取に対しボロを出さずに虚構を貫き通せるものなのか」ということだ。 殺人事件ともなれば、繰り返し繰り返し、ウンザリする程しつこく訊かれるだろう。それを〇〇が白を切り通すのはチョット非現実的過ぎやしないか? よほど刑事達の質が劣悪でなければ。(こういうところだけはどうも甘受できないんだなぁ) そして、もう一人の一番の(そして一番危うい)当事者(コイツを考慮すればあまりにもリスクが高い計画だ)を、都合よく3週間以上もトランスを維持させ、大震災で逃げ切る・・・まあ、これは「時代」をうまく使ったと評価してもいいのかもしれない。 だけどそんなことより、あくまでも「不気味な童話」のような雰囲気を味わう話だよね。 ラストも・・・・・まいっか。悪ふざけということで。 何はともあれ短時間でスラスラ読め、エンタメとしてそれなりに面白かった。 |
No.2 | 6点 | 殺人鬼2- 綾辻行人 | 2007/05/29 21:09 |
---|---|---|---|
ハッハッハッハ・・・
こういうのもたまにはいいんじゃない? 次はSAWⅢやテキサスチェーンソービギニングにも負けない描写を期待しています。 |
No.1 | 6点 | 暗黒館の殺人- 綾辻行人 | 2007/05/25 21:40 |
---|---|---|---|
とにかく長いの一言!
ミステリとしてのトリックは「並」の感が否めないが、館シリーズを何とか纏め上げた労力には惜しみない賛辞を贈りたい。(なーんちゃって生意気すぎ) 最終章(エピローグ章)前の最後の一行は、恐らく十角館の「あの一行」に匹敵する衝撃を狙ったものと思われるが、館を読破してきた読者なら大方それまでに見抜いてしまったのではないかな。 |