皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
モトキングさん |
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平均点: 6.06点 | 書評数: 78件 |
No.8 | 2点 | 探偵ガリレオ- 東野圭吾 | 2008/10/08 17:28 |
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まいった。困った。
色々な角度から見れば、色々な良さ悪さが見えてくる。本とはそういうものだ、とは思う。 しかし、 この作品に関しては、どの角度から見ても、高評価を入れる理由がよくわからない。 タイトルも。内容も。 これはあの東野圭吾が書いた本です。 本当にそうなんですか? |
No.7 | 9点 | 白夜行- 東野圭吾 | 2004/03/31 15:53 |
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やはり一言目は「面白い」だろう。 読後の、この言いようのない感覚。自分の心の中に、この本を読んだことにより生じた何かがある。そんな感覚。知らず深呼吸をして、大きなため息がでた。 これは間違いなく、本作に深くのめり込んだ証拠だろう。このような読者に訴えかける某かの存在が、小説の出来不出来を示す定義ならば、本作は作品の良し悪しなどという些末な論議を待たない、完全なる傑作であることに間違いはないと思う。 確かに、色々気になる点はある。 最後の方で、刑事の視点により補完されていく二人の関係。これは個人的にはいらなかった。ここで明らかになる全ては、ここまで彼ら二人の生い立ちを全てを読んできた読者にとっては、全く持って新しいパーツではなく、単に読み解こうとしない読者に対する親切設計だったに過ぎないと思う。 あるいは、作中にも読者的視点を持つ人物を登場させたかったのかも知れないが、「人知れず」というのが、この「白夜行」において決定的に悲哀を誘う要素だったのではないだろうか。 しかし、あの刑事の登場無くしては、あのラストは無かっただろう。だから私はあのラストでなくても良かった。 もちろん、この人知れず歩き続ける「白夜行」には、その道程の危うさ故の破綻は必要だと思う。しかし、それは決して道徳的なもので無くても良いと思う。 警察に追われて死を選ぶというシーンは、男の死への潔さとその死の事実を知ったときの女のリアクションから、見えざる二人の、圧倒的な、そして両人以外の誰一人として理解出来ないだろう、深い、深すぎる「絆」の存在が強調される。 しかし、やや厳しい言い方をすれば、それだけだ。警察の登場、介入以外にも、より「白夜行」に相応しい「破綻」が演出出来たはずだ。と、そう感じてしまう。 それと、この一対の男女、いや女と男。このダイヤモンドより硬い絆について、それが何故に形成されたのか、非常にわかりにくくても不親切でも良いから、もう一つだけ解き明かす何かのキーが欲しかった。いや、匂わし、想像のきっかけを与えてくれるだけでも良かった。 色々、注文を付けたが、この注文には、自ら提案出来るような具体的な代替案は無い。正直、これを微修正した、より良い作品など想像も付かない。 無論、それは本作がそれほどまでに素晴らしいからだ。 もちろん、以上の注文は、完全なる的はずれかも知れない。この注文を満たすことにより、この奇跡の結晶のような本作を構成する何かが欠如してしまうかも知れない。 それでも、本作が素晴らしいからこそ、何か湧き出る想い。ただそれだけだ。 |
No.6 | 4点 | 放課後- 東野圭吾 | 2002/01/24 15:30 |
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可もなく不可もなく。デビュー作はやはり青春系が多いな、という今更ながら思った。 今はもう、飛ぶ鳥を落とす勢いすら感じる作者だが、スタートはやはり、平々凡々なのね。 今活躍しているほとんどの作家のデビュー作と大して遜色が無く、かつ特記すべき事項もない。 一つだけ、個人的に絶対言いたいことは、この作品に乱歩賞はあり得ないという一点。 最近の作品には、小説物語創作の天才とすら感じられるほどの佳作が多いのに…。 |
No.5 | 5点 | 卒業−雪月花殺人ゲーム- 東野圭吾 | 2001/12/26 16:13 |
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「雪月花殺人ゲーム」は、ちょっとないですね。 ゲーム性も無ければ、はっきり言って、「茶道」という馴染みの薄いジャンルでトリックをこねても、あまりピンとこない。 将来の加賀刑事の若かりし頃を知るという点では、面白いが、作品としては凡作ミステリ。 東野圭吾はこんなもんじゃない。今となっては、東野先生も、ここでこの作品の評価が高くても困惑するだけでしょう。 |
No.4 | 8点 | 回廊亭の殺人- 東野圭吾 | 2001/12/26 16:07 |
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↓の方の感想に同感。 序盤から中盤にかけては、本格系にありがちな遺産相続を巡ったミステリだったが、最後に至る数ページの展開は最高。 展開の鋭さ、炎をバックに急展開する舞台、そしてあの一言。 トリックは叙述、物理問わずかなり読み耽っていたつもりだが、何故かこの叙述トリックにはコロッと騙された。体調だろうか(笑)。 とりあえず、その1点の印象が非常に高いので、この点数。いい作品です。 |
No.3 | 7点 | 名探偵の掟- 東野圭吾 | 2001/11/30 11:20 |
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お決まりのミステリの型に載った設定で進みながら、今まで読者が突っ込みたかった全てのポイントを、登場人物自らの口で(これが凄い!)、ここまで見事にぶっ壊してぶっちゃけているこの作品を読むと、本当に心の底からニヤついてしまう。 非常に面白い。ミステリを熟知した作者のお遊びが、一流のエンターテイメント性を持ったアンチミステリに仕上がっている。 でもまあ、これを笑うには、同じく読者にもミステリに対するある程度の知識が求められますけど。 ただ、本家があってのパロディを、本家ミステリの超一級のラインナップと同点数というのはどうかと思うので、この点数です。 |
No.2 | 7点 | 仮面山荘殺人事件- 東野圭吾 | 2001/11/28 15:08 |
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あの最後。あれははっきり言って反則です。ルール破りです。でも、叙述トリックの範疇としては有りなのかな〜。 しかし、なんだかんだ言っても面白い。エンターテイメント性は抜群だし、使っているモチーフというか舞台設定はしっかりミステリしてるしね。 ということで、何となくミステリを読んだ感じにはなれるので、採点は純粋にエンターテイメント性にマイナスなしで。 |
No.1 | 6点 | どちらかが彼女を殺した- 東野圭吾 | 2001/11/28 14:45 |
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この試みは好きだ。 ロジカルな推理物として、最後の1ページまでは、読みやすく、無駄が無く、かなりの高評価といえる。 しかし、推理小説の醍醐味は、解決編にある。痛快なまでに裏切られる驚くべき真相にある。それを超人的なまでの論理展開で皆に披露する探偵(役)にある。 従って、ミステリとしては、この作品を上位に置くつもりはない。作品の中身自体、トリックも何もなく、単に、もの凄く大げさなクイズの問題編を読まされた感は否めない。 あと、犯人当てがこの小説の唯一無二の存在意義であるのだが、その決定材料があまりにショボい。ましてや刑事があんな些細なことで、犯人を立証できるわけもない。(と、まあこれは物語世界では別にどうでもいい話ですが) てな感じでこの点数です。 |