皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
alcheraさん |
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平均点: 6.40点 | 書評数: 15件 |
No.6 | 4点 | リセット- 北村薫 | 2003/03/01 20:11 |
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読み終わって「うーん、これではなあ」と思いました。ちょっと採れません。北村薫ならではというところが感じられない。 戦中の話は取材したものを丹念に書き込みすぎて鼻につく。父が子供に語るという形式もうざったい。そして繰り返す生まれ変わりも、ハッピーエンドが好きなわたしでさえどうかと思う。 これが初北村作品だったという方も少数ながらいらっしゃるかもしれません。できればぜひ別の作品を読んでください。 |
No.5 | 9点 | スキップ- 北村薫 | 2003/02/23 02:17 |
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全体的な話の流れとか、整合性とかを考えると疑問も多々感じる。いくらなんでも高校2年生でこの行動はできないでしょう、と思う。 でも彼のお話は連ねていくひとつひとつが美しく。「これはわたしが感じたことだ」と思える部分も随所に見られ。……結局、読み終わると切なくなってしまう。全部じゃありませんけどね。これはそう。言葉にするのは難しいけど、わたしにとっては心に入った小説でした。 |
No.4 | 7点 | ターン- 北村薫 | 2003/02/18 22:16 |
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やはり皆さん同じですね。前半3分の1はとても読みにくかったです。その後はずっと良い話が続く。「ああ、やっぱり北村薫だなあ」と思いながら読んでいました。彼は考えることが変わっていますねー。まず生ゴミの問題を考えるとは。 でもラストが嫌いでした。あの男が出てきた時点でもういや。「いかにも」な人物だったから。しかもそんないかにもな人物が、ああいう(悠長な)行動をとるとはわたしには思えません。 何も事件がないままハッピーエンドになってくれればわたしも好きになれたのに。 |
No.3 | 9点 | 秋の花- 北村薫 | 2002/06/25 20:32 |
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前に書いてある方がいいたいこともわかるつもりですが、これを「救いのない話」と呼んでしまうのは違和感があります。 「誰も悪くないのに起こってしまう悲しい物語」ではありましょうが、それだけではなく。「我輩は猫である」が猫の生活だけを書いている話ではないように。 人生の残酷さという言葉は使い古されてはいますが、そういうものは確かに存在している。それは認識しなければならないこと。でもそれだけが全てだと思ってはいけないということ。そういう話だと思います。 話としては、フロベールを読んでない私には読みにくいところがあったり、円紫さんのバランスがちょっと悪いかなと思ったりもしますが、ここまでうつくしく繊細にものごとを描けることは、なんて素晴らしい。 「泣くために読む」という作品群とは全く違った意味で泣けて仕方ありません。北村氏の作品はプリズムのようなもので(という比喩も手垢がついていますが)人によって響く場面が違うのでしょう。それは作品の持つ厚み。やっぱり感覚の優れた書き手だと思います。 (ミステリというカテゴリーが辛い・・・) |
No.2 | 10点 | 空飛ぶ馬- 北村薫 | 2002/05/13 23:54 |
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久々に読み返してみて、心から「やっぱりいいなあ・・・」と思いました。文章が美しい。やはり本をたくさん読んでいる人は違う。このシリーズ読むとなんでもないところで泣いちゃうんですよねー、琴線に触れるんでしょう。 でもミステリとして読んで認められないと言う人はいるだろうな、と思います。あえてミステリと分類する販売方法がちょっともったいないです。 |
No.1 | 9点 | 冬のオペラ- 北村薫 | 2001/10/16 13:46 |
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美しい。初北村作品がこれだったのは幸いでした。 覆面作家だったら・・・(いや、好きですけどね、覆面作家も) この作品(円紫シリーズもそうですが)に漂う、透明な感触はなんなのでしょう。 |