皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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ごんべさん |
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平均点: 6.73点 | 書評数: 49件 |
No.2 | 5点 | 陰摩羅鬼の瑕- 京極夏彦 | 2003/11/13 22:04 |
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このシリーズは一般的には「妖怪ミステリ」なるカテゴリを確立したように評価されているが、結局は民俗学の新解釈の薀蓄の羅列ではないか。 京極夏彦の民俗学に対する自分なりの解釈と精神世界論の披露の場なのである。 5年ぶりの京極堂シリーズということで世間の評判も高かったようであるが・・・。 まぁこんなアンチ的な意見はこのシリーズの登場した当初からあるでしょうけど。 このシリーズの根幹をなす「妖怪」とは、この物語の舞台設定上では存在していたであろう「不可解なものに対する恐れという人の心が産み出す存在」であるだけの狂言廻しという基本から何も進歩していない。 また全ての作品の登場人物がシリーズを通して絡み合ってくるという狭い世界観も頂けない。 歴史の新解釈、民俗学の新解釈という点での読み易さでは井沢元彦氏の方が勝っているのではないか。 なぜ京極夏彦氏はこうも回りくどく、小難しく文章を組みたてなければ気がすまないのであろうか。本筋とは一見関係なさそうに披露される仮説郡も結果的には関係が出てくるのであるが、それも「ああこういう伏線かぁ」と素直に関心はできない。 確かに今回のミステリ部分は冒頭でネタばれしているのであろうが、それよりも事件がなかなか起こらないスローな展開にじれったさのみを感じる。まぁそれもこの一連のシリーズの常なのかもしれないが・・・ 意地だけで全749頁を読みきった。 でもその意地だけでの読破もかなわない小説もあるのだからこの作品には何らかの魅力があるのは認めざるを得ない。 最後に京極堂が伊庭元刑事の依頼に対しての報酬を「別のところで儲かったから要らない」というあたりがその魅力の現れなのかもしれない。と最後にちょっとフォローしてみる。 |
No.1 | 7点 | どすこい(仮)- 京極夏彦 | 2003/07/02 14:36 |
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いつもの京極作品の薀蓄・難解熟語オンパレードの作品よりは読みやすくて良かったけど、でもミステリじゃないよね。 |