皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
たかだいさん |
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平均点: 5.06点 | 書評数: 225件 |
No.5 | 5点 | 殺人鬼- 綾辻行人 | 2025/08/21 22:18 |
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スプラッターの要素9割という著者の趣味全開な鬼畜サスペンス
とにかく人が悲惨な殺され方をし、血で血を洗うなんてモノじゃない凄惨な…というかグロいシーンの連続 かなり攻めた小説なのは間違いなく、スプラッター映画にも言える事ながら相当に読み手を選ぶ しかもそこに叙述トリックを仕込んでミステリーとしての体裁も整えてくるから、ただ人を殺して終わりの単純ホラーとは一線を画し、その辺りは流石は綾辻行人と言っても良いかも知れない 尤も、そのトリックの驚きは確かにある…んだけども、結局は徹底してグロい目に遭うメンバーの阿鼻叫喚具合しか印象に残らんのよね… 徹底し過ぎて若干、気分が悪くなる点も含めて本作の尖った個性と評価しつつ、面白かったか?と問われれば作中の仕掛けにまつわる驚きを徹底したグロさで相殺して5点評価が妥当かと私は思いました 一応、続編の逆襲篇も既読だが、そちらは本作以上に記憶に残らなかったので敢えてレビューもしないつもりです |
No.4 | 7点 | 暗闇の囁き- 綾辻行人 | 2025/08/09 17:53 |
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現実の世界を舞台としているのに幻想的な世界観が漂う辺り、なんとなく綾辻行人らしさを感じるサイコスリラー(個人的にはサスペンスというよりこのように感じられた)
何故かタブーとされる子供「あっちゃん」、美しい兄弟、絶大な権利を握る父親、自失の母親、欲に駆られる叔母親子、怪しげな使用人夫妻…一癖も二癖もある登場人物が現れ、1人また1人と死んでいく 事件の謎、真相そのものも決して悪くはないが、この作品は作中の雰囲気こそが最大の見所だと個人的には思った |
No.3 | 5点 | 迷路館の殺人- 綾辻行人 | 2025/02/17 19:52 |
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高校の時に読んだ筈だが内容をまるで思い出せない、という事で図書館から借りて改めて読了
読み終えてまず、なんとなく覚えていなかった理由が分かった気がした…話が地味なんだと 門扉に閉ざされ地下に広がる迷路で構成された異質な邸宅ー迷路館という事で、そのらしさを活かした誘導トリックは面白い。次いで、真犯人が分かったと思わせてのどんでん返しは様式美のようだが「やられた」という驚きをもたらしてくれた ミステリー小説としてもシリーズ物としても、面白い作品なのは間違いない ただ、手堅くまとまっている分、印象・記憶には残り辛い作品でもあるようです(実際、私は文庫本のあらすじを読んでも内容が思い出せないくらいには印象に残っていなかった…) あと、相変わらず探偵役のキャラが薄い… |
No.2 | 3点 | びっくり館の殺人- 綾辻行人 | 2025/02/17 10:12 |
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「館」シリーズの一つに数えられていますが、同時に低年齢層向けに書かれたミステリー作品という事も念頭に置くべき作品です
そうは分かっていても、シリーズ好きというかタイトルを揃えるならきっちりして欲しい派の私からするとせめて文庫本などへの再録ではタイトルを「吃驚館の殺人」にして欲しかったなと益体もなく思ったりします 肝心の内容ですが、前作(「暗黒館の殺人」)のようなオカルティズムは控えめながら人間の狂気はそれなりに描写されていた印象で、その辺りにも掛かってくる本作のトリックもありきたりに感じたもののある意味言葉が出ない光景だろうなと驚きと呆れに畏怖が混ざった奇妙な感想を抱いた覚えがあります 正直あまり面白いとは思いませんでしたが、本来のターゲットである子供たちが本作を手に取って、それをきっかけに他の「館」シリーズだとかミステリー作品に触れる契機になってくれれば良いなとは思います |
No.1 | 8点 | 時計館の殺人- 綾辻行人 | 2025/02/17 09:25 |
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綾辻行人が手掛ける「館」シリーズで、個人的には「十角館の殺人」よりもこちらの方が好きな作品です
スケールの大きなメイントリックや、その伏線の貼り方が秀逸で、なんとか閉じ込められた地下の館から這い出た者(のちに口封じされる)のパニックに等しい驚愕のリアクションだとか、食事シーンでカップ麺が美味く感じないなんてさり気ない所まで、トリックが分かると「なるほど」と唸る部分が多分に含まれ、館シリーズとしてもミステリー作品としてもレベルが高いと感じてます 反面、キャラクターに関しては非常に曖昧で、一応、「奇面館の殺人」以外のシリーズは全て読破済みにも関わらず、メインとなる2人のキャラがイマイチ思い浮かばない。奇人変人なら良いってものではありませんが、キャラ付けに改良の余地がある気はしてます |