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三枝さん
平均点: 5.81点 書評数: 21件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.2 5点 ドミノin上海- 恩田陸 2024/05/21 10:44
前作に遠く及ばないできですね。
“伝説級の暴走族がパトカーを大量に引き連れた結果、テロリストが自分が追い詰められていると勘違いして暴走”みたいな顔も合わせず離れた場所で起きた出来事が別の人物に影響を与えるといった要素がかなり薄いです。
ほとんどが直線的に顔を合わせたりその場に居合わせたりで、その合流のさせ方も強引さが否めません。
ダリオがパンダを追いかける理由とか全然ないと思いますし、結局お腹の中で光っていた印章もぶん投げ。

前作の保険会社の書類配達と合流できない俳句オフ会と大学サークルの会長決め勝負みたいな各シナリオに明確な目的がないため、登場人物の動きになんとなくの進行が多くて単体シナリオとしてのおもしろさがありません。
森川とかまったく出す意味なかったですよね、あれ。

あれがダメこれがダメというよりシンプルに群像劇としてのクオリティが低いです。
持ち物の入れ替わりとか暴走バイクの追跡とか前作を踏襲した内容が散見されるためますます品質の差を感じます。

No.1 9点 ドミノ- 恩田陸 2023/12/22 18:09
このサイト向けの本格物ではありませんが、エンタメとしては傑作だと思います。

契約書を届けようとするサラリーマン
お菓子を買いに出かけたOL
オーディションに落ちてばかりの少女
オフ会のために上京した老人
と様々なキャラクターが実に生き生きと描かれており、読んでいるだけでもおもしろいです。

シナリオ同士の絡ませ方も
契約書を届けるためにバイクで暴走
→それを捕まえるためのパトカーがテロリストを刺激してしまう
→すぐ近くにいた少女が人質に
とただキャラクター同士が合流するだけに留まりません。

一方、28ものキャラクターを処理するためかシナリオは淡白に作られており、ひねった展開もありません。
いくつもの物語がバラバラに進むうちは読者としてもその方が読みやすいのですが、話がまとまってくるにしたがって地味さが目につくようになり、読後は物足りなさを感じます。

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