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三枝さん
平均点: 5.81点 書評数: 27件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.2 5点 D坂の殺人事件- 江戸川乱歩 2025/05/20 10:39
春陽堂江戸川乱歩文庫で読みました。
収録作は表題作『何者』『一人二役』『算盤が恋を語る話』『恐ろしき錯誤』『赤い部屋』『黒手組』。

D坂
さすがに着物の柄に対する解は時代を加味してもいかがなものでしょうか(こういう批判に備えて二重解答にしたのかもしれませんが)。
密室の方もしっくりきません。心理的盲点というかご都合主義にしか感じませんでした。

何者
足跡のトリックはシンプルながらもやられました。
ただ短編としてボリューミーなわりにシナリオがあまりおもしろくないです。

赤い部屋
創元推理だと違うようですが『恐ろしき錯誤』とできればセットで読みたい作品。
ここにきて乱歩に求める気色悪さグロテスクさがやっと補給できた気分です。

黒手組
暗号は日本的かつわりあいシンプルでありながらも手がこんでいますし、ストーリー自体の流れも楽しめました。
傑作級とは言いませんがホームズの中堅作品と肩を並べられるぐらいのできではないでしょうか。

No.1 7点 孤島の鬼- 江戸川乱歩 2024/08/11 16:39
2つの事件のトリックは時代を加味すればといったところでしょうか。
2つ目の事件を解けばおのずと1つ目の事件の真相もわかるという構成はおもしろかったです。

洞窟探検もベタながらドキドキさせられます。
手記という設定上主人公が死なないのが確定しているのをレトロな趣とみなすか欠点とみなすかは微妙なところですが。

怪奇小説としてのおどろおどろしさが秀逸なのも認めざるをえませんが、やはり見世物小屋的なノリは目につきますね。

「可愛い秀ちゃん」から「醜い吉ちゃん」を切り離して吉ちゃんの方はその後すら語られないというラストに「治療による障害の克服は医療の手の届かない障害者に真の孤独をもたらすのでは」などと考えてしまいました。

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三枝さん
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採点傾向
平均点: 5.81点   採点数: 27件
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