皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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ROM大臣さん |
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平均点: 6.07点 | 書評数: 149件 |
No.2 | 7点 | 死まで139歩- ポール・アルテ | 2023/10/18 15:31 |
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一九四〇年代末、法学士のネヴィルは、謎の女と嗄れ声の人物が暗号めいた会話を交わしているのを耳にした。また、ロンドン警視庁のハースト警部と犯罪学者ツイスト博士のもとに現れたパクストンという男は、嗄れ声の人物によって毎日封筒を運ぶ仕事のために雇われたが、その中身は白紙だったと語る。やがてパクストンが殺害され、現場には六足の靴が並べられていた。一方、ロンドンは無数の靴だらけの屋敷で、五年前に死んだ男の遺体が発見されたが、現場は完全な密室であるのみならず、床には埃が積もっていて、遺体を運び込むことは不可能だった。
現場に犯人が近づいた痕跡がない「足跡のない死体」というシチュエーションを、作者は異様な執着すら感じさせるほど好んでいるが、本書ほど奇抜なシチュエーションが提示された例はないだろう。本当に解けるのか不安になるくらい不可解な謎は、ツイスト博士の推理によって確かに解き明かされる。だが、そこに説得力を覚えるかどうかは意見が割れるだろう。 |
No.1 | 4点 | 虎の首- ポール・アルテ | 2021/09/17 14:32 |
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スーツケースにバラバラ死体を詰めて放置する殺人事件とある村で謎めいた盗難事件騒ぎが続発している事件。この二つの事件をどう結び付けていくかという風に読ませてきて、それがミスディレクションになっているのが巧妙。
気に入らない点は、ロンドンで最初に起きた密室。あれは必要ない。少なくとも密室という現象を起こす必要性が全くない。 |