皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
レッドキングさん |
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平均点: 5.27点 | 書評数: 888件 |
No.6 | 6点 | シャーロック・ホームズの回想- アーサー・コナン・ドイル | 2021/12/17 19:45 |
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「シルバーブレイズ号」 失踪した名馬と惨殺された調教師、夕食マトンカレーと吠えなかった番犬・・連結いかに
「黄色い顔」 誰もが連想するレベルのホームズ推測を、半歩捻ったハッピーエンディングないい話 「株式仲買の店員」 「赤毛連盟」怪盗より、アイデアで1/3、演技力で1/4、覚悟で1/2レベルダウンした悪漢達 「グロリアスコット号」 文字通りホームズのメモリーにして最初の事件。ドイル十八番の後半歴史奇譚 「マズグレイヴ家の儀式」 これまたホームズのメモリーにして青年ホームズ第三の事件・・で、ドイル版「黄金虫」 「ライゲートの旦那衆」 本人の言が真ならば、死体から証拠を奪った者はその本人しかなく・・鮮やかなロジック 「曲がった男」 怪人の連れた珍獣を活かしたトリックでもあれば・・もっとミステリしてたかもしれない歴史奇譚 「居住患者」 密室トリックもどきでも施された現場だったら・・もっとミステリになっていたかもしれない復讐譚 「ギリシア語通訳」 ホームズって、フランス人クォーターなのね。弟以上に出来よく恰幅もいい兄貴・・ 「海軍条約」 見取図あるんだから、もう少し絡めてほしく・・あんちゃん官僚なんだから、話に絡めてほしく 「最後の事件」 モリアーティ・・ホームズワトスンに並ぶシリーズ三大スーパースター・・登場!にして即退場 ※この第二短編集には、少々オマケ加点。 |
No.5 | 8点 | シャーロック・ホームズの冒険- アーサー・コナン・ドイル | 2021/12/13 19:09 |
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「ボヘミアの醜聞」 ・・シャーロック・ホームズにとっては、彼女こそが「女」だった・・
「赤毛連盟」 王族子孫でイートン校オックスフォード大卒の怪盗・・読み返せばなかなかにクールなヤツ・・ 「正体の場合」 いや、ヤツはとんでもない物を盗んで行きました・・あなたの、心です。 「ボスコム谷の謎」 圧倒的に不利な状況証拠からの撲殺事件冤罪返し。ただ、足跡残りすぎ。 「五粒のオレンジの種」 窮状青年の救済も復讐も果たせない苦い失敗譚が故に心に残り・・・嗚呼、KKK! 「唇の捩れた男」 乞食三日やったら・・コカインやっても阿片はやらないミック・ジャガーの様なホームズ 「青いルビー」 頭骨の大きさと知性は比例するのか・・七面鳥でなく鵞鳥喰うのかクリスマス。 「まだらの紐」 おお、ヘレン、まだらの紐が・・・で、あいつ、金庫の中で呼吸できたのかな。 「技師の親指」 東西南北いづれでもなければ・・・鮮やかなる場所のトリック。 「高貴な独身者」 やせ我慢の美学とまでは行かず「気高き独身男」、つらいな。 「緑柱石の宝冠」 ホームズ物にようやくのキャラツイスト「不詳の息子」と「健気な姪御」 「黄褐色の橅木立」 笑い話名手のエビス笑い肥満漢にして凶悪漢・・ロイロット医師より怖い。 ※歴史的、記念碑的、何より個人的思入れから、点数には相当のオマケ付き。 |
No.4 | 6点 | 恐怖の谷- アーサー・コナン・ドイル | 2019/05/18 23:37 |
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首(顔)の無い死体ミステリの初出って、これではないかと密かに思ってた。子供の頃、ホームズ長編で唯一馴染めなかったのがこれで、多分、唯一「本格」のニオイがしたんだろう。でもこれ1915年の小説で「ビッグボウ」はおろか「黄色い部屋」や「ブラウン神父」よりも後なのね。顔の無い死体=死体入代りネタの元祖ってどの小説なんだろう。
ところでホームズていうかドイル、「モリアーティ」にこだわり過ぎじゃないか? 昔、コカイン中毒からノイローゼになったホームズが、フロイト(!)の診療を受けた結果、「モリアーティ」ってホームズの母親の愛人の名前で、そこからくるホームズの被害妄想と判明する・・ってな映画があった。 2022/1/1 訂正・追記 ハッキリしないがどうやら「顔の無い死体」物の源流(ディケンズにそんなのあるとか・・乱歩は紀元前からあるとまで書いてる)としても良さそうなので、「仮特許権」として6点に加点変更。 |
No.3 | 6点 | バスカヴィル家の犬- アーサー・コナン・ドイル | 2019/05/18 16:10 |
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子供の頃に「呪いの魔犬」とかいうタイトルで読んだ。なぜか登場人物の一人 ステイプルトンが気に入ってしまった。田村正和(古畑任三郎演じる以前の)やルパン三世の石川五右衛門がイメージにあった。(ちなみに執事バリモアは銭形警部。) あらためて新潮社文庫で読み返したら「あごのとがった やせた小男」という描写で、ちょびっとイメージと違った。でもずっとあいつが贔屓だったので点数はオマケ付き。 |
No.2 | 4点 | 四つの署名- アーサー・コナン・ドイル | 2019/05/16 21:13 |
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「・・モルヒネかい?コカインかい?」「コカインさ。~%水溶液。君も一本どうだい?ワトスン君・・」じつに痺れる会話だ それにしても宝箱が空っぽで本当に良かったねえワトスン君。「僕はおかげで妻まで得るし・・・それで君はいったい何を得るんだい?」「僕か?僕にはコカインがあるさ」 |
No.1 | 5点 | 緋色の研究- アーサー・コナン・ドイル | 2019/05/16 17:00 |
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あらゆる小説の中で最もカッコいいタイトルの一つ。かつ記念碑的なホームズ処女作。この二点だけで5点献上。
でも手元にあるのは延原謙という訳者の昭和二十八年刊行版。「ふふふ、驚いてらあ」「おもしろいですな」「さんざ悩まされましたが、私はもうすっかり筋道がわかったです・・・」 シャーロック・ホームズに、こんな日本語セリフを吐かせてはいかんだろう、やっぱり新訳で読まんと。 |