皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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糸色女少さん |
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平均点: 6.42点 | 書評数: 159件 |
No.2 | 6点 | 百万のマルコ- 柳広司 | 2023/07/01 21:27 |
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舞台は十三世紀末のジェノヴァの牢獄。無実の罪である戦争捕虜として、五年前から囚われている若者を中心とした五人の囚人たちがいた。いつまで拘束されるか分からない絶望を抱え、退屈で劣悪な環境の中にいた彼らの前に現れた新入りがマルコ・ポーロ。
冒頭から繰り広げられるのは、活き活きとしたマルコの語りによる「東方見聞録」の世界。大ハーン・フビライの指令によって辺境を訪ね歩き、命懸けの冒険によって財宝を持ち帰る武勇伝の数々に血沸き肉躍る。 シリアスな話があれば、ユーモアあふれる話もある。人間の理性も感情も切れ味鋭く描ききる。この作品には、読む者の人生を、そしてこの世の価値観を変えてしまう力がある。 |
No.1 | 6点 | 怪談- 柳広司 | 2017/10/14 17:09 |
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かの有名な小泉八雲「怪談」に収録の「ろくろ首」「耳なし芳一」など、おなじみの話を現代のホラーミステリとして語りなおしたもの。怪しい出来事の連続に始まり、やがてすべては論理的に解き明かされる。
作者ならではの端正なミステリのつくりに加え、こちらも現代日本の病理のような事件があちこちで扱われ、さらにラストで恐怖が待ち構えている。 なんとも贅沢な異色短編集。 |