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糸色女少さん
平均点: 6.42点 書評数: 159件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.2 7点 深紅の碑文- 上田早夕里 2018/08/01 19:07
人も社会も存続が困難なほどの大惨事に見舞われたとき、人はどうすればいいのか、また社会はどう変わればいいのか。この作品は日本SF大賞を受賞した「華竜の宮」の最終章とエピローグのあいだに横たわる、空白の40年の出来事を描いた姉妹編。
海面上昇によって地表の大部分が失われた25世紀の地球では、人類は残された地上や海上都市で科学文明を維持する陸上民と生物船「魚舟」に乗って海と共に生きる海上民とに分かれていた。しかし人類滅亡の危機が迫り、両者間の資源争奪戦、生き残り闘争が激化していく。各人組織が信じるそれぞれの正義と利害が激突する壮大な群集劇は読み応えたっぷり。
本書は多角的な視点から、人類とは、世界とはというスケールの大きな問いに挑んだ全体小説といえる。

No.1 7点 薫香のカナピウム- 上田早夕里 2018/05/18 20:13
熱帯雨林の豊かな生態系を背景に、樹上で生活する<巡りの者>や<カイの一族>、さらには高度な文明を持つ<巨人>が登場するこの作品は、一見するとファンタジーのように思える。
しかし熱帯の人々や生態系は<巨人>の文明と関りがあるらしい。森に危機が迫る中、次第に世界の構造が明らかにされるが・・・。
成長期の少女の目を通して、人類を含む生物の人為的改変や生態系再生、社会の再建実験といった「大きな物語」と、ひとりの人間にとって幸福とは何かという「深い物語」が交錯する。本書は出色の生態系SFにして堂々なる社会派SF。

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糸色女少さん
ひとこと
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採点傾向
平均点: 6.42点   採点数: 159件
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