皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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青い車さん |
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平均点: 6.93点 | 書評数: 483件 |
No.46 | 7点 | 策謀の結末- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2020/03/01 12:04 |
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ミステリ的には「なーんだ」という人も多そう。しかし、個人的にはシリーズの締めくくりにふさわしい名作です。犯人デヴリンとピンボールやダーツをしながら、即興で詩を詠みながら、酒を酌み交わしながらの対決はそれまでに無い魅力がありました。なぜウイスキーの瓶を転がしたのか、という小さな謎の答も洒落ていますし、空からのアングルでの撮影も最終回らしい派手さでした。 |
No.45 | 6点 | 攻撃命令- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2020/03/01 11:52 |
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後で知ったことですが『薔薇のつぼみ』は女性を表す隠語であり、犯人メイスン博士が妻と不倫をしていた被害者に対して抱く殺意を象徴するものだそうです。内容に関しては、電話越しで犬を使って殺人を行うという趣向をもっと活かせればシリーズでもトップレベルの回になったでしょう。もっともそれは観る側の欲張りとも言え、心電図や現場の藁に目を付けるなど、コロンボ的な着眼は十分な水準ではあるとも思います。 |
No.44 | 4点 | 秒読みの殺人- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2020/02/10 18:56 |
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優れた手掛かりが多いわけでもなく、犯人にコロンボが仕掛ける罠も目新しいものではありません。この回はケイ・フリーストンという女性のドラマに主眼を置いているわけですが、それも名作とされる『忘れられたスター』等と比べるといささか弱い気もします。犯人サイドの話に重きを置いた代償にコロンボの影があまりに薄いのも気になり、シリーズの中ではやや凡作の部類だと思います。 |
No.43 | 6点 | 美食の報酬- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2020/02/10 18:47 |
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最初に言ってしまうと、本作はミステリとして飛び抜けた出来の回ではありません。それは毒殺トリックの謎だけで視聴者の興味を支えている事件ということが一因としてあると思います。しかし、かといって詰まらないわけではなく、ご馳走が次々に出てくるビジュアル的な楽しさや、魅力的なサブキャラたちのお陰もあり時々観返したくなるユニークさがあります。犯人ジェラードの小狡くて気障なキャラクターを見事に表現した吹き替えの妙も特筆ものです。 |
No.42 | 7点 | 死者のメッセージ- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2019/12/27 22:21 |
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あまり取り上げられないものの、邦題である「死者のメッセージ」のトリックはなかなかのものだと思います。無論、ダイイング・メッセージは実際問題として絶対の証拠になるかは疑わしくもあるのですが、犯人がミステリー作家であることに、「アガサがモデルであること」以外の必然性があるのには感心しました。犯人と交流し互いを理解し合う展開も『別れのワイン』の時のような違和感を感じず、楽しめました。 |
No.41 | 7点 | 殺しの序曲- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2019/12/27 22:12 |
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シリーズでは珍しく、物理トリックに注力した意欲作で、エキセントリックな犯人像とも相まって不思議な魅力を放っています。トリックの種明かしをしながら進行する対決のムードの良さと、コロンボが自らについて語るシーンが美しく、最終回を意識して作られたことも納得のいく締め方です。 |
No.40 | 6点 | 懐かしき殺意- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2019/12/27 22:01 |
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旧シリーズでは人気下位のエピソードながら、『ルーサン警部』とは反対にこちらは擁護したい派です。この回の不人気の理由はどうやら推理物としての脇の甘さにあるようです。しかし、詰めの証拠としたバックルの手掛かりは、あまりに説得力に欠けるのは認めますが、意外性という意味ではむしろ面白い部類ではないでしょうか。ただもう一つの大きな不備、犯行トリックの根本(硝煙反応の有無ですぐにばれるはず)はさすがにどうかと思うので、間を取ってこの点数とします。 |
No.39 | 4点 | ルーサン警部の犯罪- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2019/11/14 23:56 |
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如何せん犯人の設定の面白さに頼り過ぎな感があります。いろんな方が指摘されていますが、決め手のぬるさは大きな不備だと思います。刑事ルーサンのパロディ的な楽しさを除けば、見るべきなのは犯行方法の目新しさくらいでしょうか。起伏に乏しく中だるみしている点からも、シナリオの磨き上げが明らかに足りません。 |
No.38 | 4点 | さらば提督- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2019/11/14 23:33 |
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あくまでも映像版のみの感想ですが、刑事コロンボでもっとも愛着の薄いエピソードはどれか、と訊かれたら迷わずこれを挙げます。それは私がこのドラマでお決まりの型に思い入れがあり、コロンボはかくあるべしという拘りが強いからでしょう。中盤のサプライズはワクワクするどころか逆に失望を感じさせるものでした。このドラマはいい奴であれ悪い奴であれ、頭がいい奴であれ間抜けな奴であれ、犯人には何かしらの掘り下げがあってこそのシリーズだと実感する一作です。 |
No.37 | 7点 | 魔術師の幻想- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2019/11/01 19:04 |
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ジャック・キャシディが過去2作で演じた傲慢な犯人と一味違う、魔術師サンティーニの尊大でありながら優雅なキャラクターが魅力です。マジックの種とミステリを見事に融合させた点や、ステージの上での対決など見所が多い快作といっていいでしょう。ただし、クライマックスには機会・方法・動機を揃えただけで決め手に欠けるという弱さもあります。 |
No.36 | 6点 | 闘牛士の栄光- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2019/11/01 18:54 |
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解決の意外性、という点ではシリーズ屈指の一作で、あまり話題に登らないですがユニークな魅力を持った一作だと思います。落とし方のタイプとしては理詰めの『自縛の紐』『ビデオテープの証言』とは対極にあり、『別れのワイン』で見せた犯人の内面に訴えかけるものと近いものです。ただ、その趣向に頼って途中が地味なのが欠点です。 |
No.35 | 6点 | 仮面の男- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2019/11/01 18:45 |
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初見時はあまりピンと来なかったものの、2回目に観たときには不思議な味を感じました。ミステリ的な楽しみではなく、国際スパイvsコロンボという一見ミスマッチな試みと小粋な会話を見るべき作品。あまり出来が良い方ではないアリバイ・トリックとその解決も、世界ニュースをカギにしている点でこの回に見事にハマってるように思えます。 |
No.34 | 6点 | ハッサン・サラーの反逆- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2019/10/26 17:24 |
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「いつもと違うコロンボ」をコンセプトに作られた一作とのことで、その解決方法はもっとも意表を突かれたものかもしれません。ネタバレを極力避けた言い方をすれば、これはコロンボの人徳あってこそ成功したものだからです。中盤の証拠を固める過程は手堅いもので犯人や領事館の必然性が薄いようにも思えたのですが、そこはしっかり活用されています。 |
No.33 | 6点 | 忘れられた女- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2019/10/26 17:17 |
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他のエピソードには無い「美しさ」のある名作だと思います。犯人だけでなく被害者である夫、直接事件と関係ない第三者に至るまで魅力的なのもユニークな輝きを持っているといえるでしょう。刑事コロンボの本来の面白さを損ねないギリギリを行きながら、シリーズの幅を広げた好例です。ただ、そういった美点は認めつつ、対決感の少なさは自分の好みから外れるのも確かなのでこの点数とします。 |
No.32 | 8点 | 5時30分の目撃者- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2019/10/13 20:17 |
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個人的にあくどさを極めた犯人は『自縛の紐』のマイロだと思っていますが、この回のマーク・コリアー医師は、二枚目な悪役としてそれまでなかった犯人像を創り上げています。港での対決で見せた余裕たっぷりの立ち居振る舞いが出色です。その他にも冒頭の暗い診察室、ライター石の推理を披露するパーティー、そしてなんとコロンボの前で行われる第二の殺人など、名シーンを数多く生んでいる演出の冴えは、シリーズでも上位に登る見事さです。 |
No.31 | 6点 | ビデオテープの証言- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2019/10/13 20:02 |
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ハロルド・ヴァンウィックの冷酷さと無邪気さの同居、他に例を見ない往生際の悪さが印象的です。健気で美しい妻の存在と、彼女の涙とともに迎える救いの無いエンディングもこの回ならでは。ミステリとしては証拠の提示がフェアで、ピエロのぬいぐるみのくだりが魅力的でした。ネット上で他の方が指摘された犯人を苛つかせるコロンボの捜査術(エリザベスには「ヴァンウィックの奥様ですか」と話しかけているのに、その後会ったハロルドには「おたくは、えーと……」と言っている)も彼らしいです。 |
No.30 | 5点 | 愛情の計算- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2019/10/13 19:51 |
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ファンの間で問題視されている、ロボットを利用したアリバイ作りはさして問題ではないと考えています。それよりもその他の犯行の杜撰さが、犯人像とミスマッチであることがまずいような。車ではねるという荒っぽい殺害方法もケイヒル氏の人物像とは相容れないものです。途中までのディテールがもっとよくできていれば、もう一つの問題点とされている情に訴えた解決がもっとドラマと馴染んだのではないでしょうか。 |
No.29 | 5点 | 毒のある花- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2019/10/13 19:44 |
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化粧品業界をテーマに選んだユニークさが面白い所です。手掛かりの中では眉墨の文字が特に気が利いています。ただ、このエピソードには意外性と説得力ともに中途半端になってしまった詰めの証拠という弱点があります。ヴィヴェカ・スコットのキャラに突き抜けた個性が無いのも物足りません。最大の見所は、彼女が人を殺してまで手に入れたクリームを咄嗟に捨ててしまうくだりでしょうか。 |
No.28 | 7点 | 歌声の消えた海- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2019/10/13 18:58 |
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船を舞台にした準海外ロケの「お祭り編」では終わらず、ミステリとしての緊密さも兼ね備えた秀作です。アリバイが成立しないこと、心臓発作を偽装する方法、手袋がない疑問など、着実に証拠を集めるコロンボの捜査が仔細に描かれています。カミさんが出そうで出ないというお馴染みの展開も楽しいです。ついでに、あまり人物像を掘り下げられなかったダンジガーですが、彼を演じたロバート・ヴォーンには存在感がありました。 |
No.27 | 7点 | 祝砲の挽歌- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク | 2019/10/13 18:50 |
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被害者ヘインズは憎たらしく描写されていますが、陸軍幼年学校を短大にする構想は経営を考えればやむを得ないこととも思えます。しかし、時代に取り残されかけても愚直に信念を貫き通すラムフォード大佐の生き様はやはり魅力があります。ミステリ・ドラマとしても、ヘインズをわざと怒らせその様子をさり気なく秘書に聞こえるように仕向けるシーンを始め、実に丁寧です。凶器の大砲、密造したリンゴ酒、そして校庭でのラストなど舞台にマッチした演出の多さにも、円熟味を感じました。 |