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ロマンさん
平均点: 8.08点 書評数: 177件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.5 9点 奇想、天を動かす- 島田荘司 2015/10/29 18:55
踊るピエロ、死体の消失、動く死体、白い巨人とどうやって収拾つけるんだという奇妙な謎のオンパレード。やっぱ島田作品はこうでないと。最後には多少力技もあるけど謎は綺麗に解き明かされる。「斜め屋敷の犯罪」「死者が飲む水」の牛越刑事、「火刑都市」の中村刑事もサポート役として登場するので、過去の島田作品を読んでる人には嬉しい内容となっている。作品のテーマとして戦後の日本が抱える様々な問題提起にもなっており、考えさせられる作品。本格と社会派が見事に融合した傑作。

No.4 8点 北の夕鶴2/3の殺人- 島田荘司 2015/10/21 12:07
失踪した元妻が容疑者に上がり、仕組まれたトリックを吉敷が暴く。義経北行伝説を絡めた奇奇怪怪ムード満点の不可能犯罪。最後の最後に明かされるトリックには思わずニヤリ。島田荘司らしい大掛かりなトリックだけども、中身は意外にも精密。特に、鎧武者の扱い方に関しては素直に感心してしまった。やっぱり島田荘司は凄い、と改めて思った傑作。

No.3 9点 暗闇坂の人喰いの木- 島田荘司 2015/10/20 16:45
屋根の上の奇妙な死体。人喰い楠の木。風見鶏のオルゴール。謎の建造物、巨人の家。おどろおどろしい雰囲気、得体の知れない異国人など、雰囲気満点の舞台に引き込まれました。レオナの強気かつ繊細なキャラクターも良い。楠の木から実際に遺体がゴロゴロ発見されるシーンは秀逸。肝心の大胆なトリックには啞然、のちにじわじわ笑いが込み上げて来たけれども。傑作ですよ。

No.2 8点 斜め屋敷の犯罪- 島田荘司 2015/10/20 14:43
現実にはまず不可能でも、紙の上だからこそ許されるトリック。この屋敷の構造はずるい。謎解きをされた瞬間はなんじゃそりゃこりゃとなるけれど、振り返ると各所にわりとはっきりヒントが書かれていたことに気付き、納得せざるを得なくなってしまう。「本当っぽさ」のさじ加減が実に絶妙で、その大胆さがまさに「新本格」らしい、屋敷全体をフルに活かした館物だった。

No.1 10点 占星術殺人事件- 島田荘司 2015/10/20 11:16
冒頭のおどろおどろしい内容から一気に引き込まれ、御手洗と石岡の会話を通じての事件の概要説明、そこから文次郎の手記で事件の奇怪さに拍車をかけながら話が展開していく。見所として、事件が醸し出す不気味さもあるが、読み解こうとする程複雑怪奇になる事件が、解決編の図一つで全て繋がる瞬間が一番の盛り上がりだ。占星術などの普段聞きなれない言葉が登場するが、本質のトリックはいたってシンプルであり、話しのテンポも良く読みやすい。謎解きでは混乱するだろうが、悩んだ人程その分解答の快感が大きく、本書を楽しめるだろう。

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ロマンさん
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採点傾向
平均点: 8.08点   採点数: 177件
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