皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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りゅうぐうのつかいさん |
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平均点: 6.29点 | 書評数: 84件 |
No.2 | 6点 | 迷路の花嫁- 横溝正史 | 2017/01/16 20:31 |
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横溝正史作品特有の、複雑極まる登場人物間のつながりと乱れた男女関係を背景にして起こる殺人事件。登場人物が多く、お互いの関係を把握するのにやや苦労する話だ(おしげさんって、誰?)。
金田一耕助登場作品であるが、金田一耕助は探偵として活躍するのはなく、瀕死の犯人が最後に自白する際の代弁者として描かれている。 真相はかなり荒唐無稽であり、読者が推理するような要素はなく、主人公松原浩三が悪と闘う姿を描いたハードボイルド小説という感じだ。 登場人物間の愛憎、主人公の他人への思いやりや行動力が描かれ、胸を打つラストを持っているなど、物語としては十分に読み応えのある作品だった。 |
No.1 | 9点 | 真珠郎- 横溝正史 | 2016/01/25 21:01 |
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横溝作品を数多く読んできたが、個人的には作者のベスト5に入る優れたミステリーだと感じた。
最後の方で、由利先生が椎名に対して「あなたは絶対に、御自分の眼で見られたこと以外には、信用してはならない」と語る場面がある。そのとおりで、真相を知ると、事件の様相ががらりと変わり、驚かされる。 この真相に持ち込むためのストーリーの組み立て方に作者の力量を感じた。 悪魔の心を持った美少年、真珠郎の存在が、幻想的で幻惑的な雰囲気を醸し出している。 短編の「孔雀屏風」は、二つに分け隔てられた屏風をめぐる美しくも悲しい物語で、こちらもすばらしい。 (真珠郎のネタバレ) 複雑な構図を持つ犯罪計画であり、犯人の告白を読むまでは、真相の全貌がわからなかった。 見事な首なしトリックで、それを実現させるための人物配置が巧妙。 第二の殺人事件以降に、乙骨が真珠郎の翳におびえる場面があるが、乙骨は真珠郎の正体を知っているわけであり、おびえる必要はなく、不自然ではないだろうか。 |