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了然和尚さん
平均点: 5.53点 書評数: 116件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.3 1点 五匹の赤い鰊- ドロシー・L・セイヤーズ 2015/08/20 15:25
この本の評価は難しい! ミステリーのレベルとしては5点(まあまあ)ぐらいで、6点でも良いかもしれない。しかし、私にはスコットランド訛りがひどく集中して読めませんでした。6人の中から犯人を読み解くという緻密な謎ときなので、これは痛かったです。ネットで検索したら原書が見つかったのですが、"Did ye hear aboot Mr. Campbell?" が「キャンベルさんのことを聞きなすったがですか?」の調子で一体どこの世界の方言なんだろうか(あ、スコットランドか) フレバー程度に語られるならまだしも、証言でも、現地のお巡りさんも訛るもんだから、まったく集中できない。翻訳者は趣味と工夫を見せたとして、編集者は通して読んでなんとも思わなかったのだろうか? 内容ですが、電車トリックはもちろん、他に船の移動のアリバイなんかも出てきますのでクロフツが意識されているようです。実際「マギル卿最後の旅」の書名がそのまま出てきているのはすごいですね。
 クリスティーの「5匹の子豚」と同じなのですが、容疑者が明示され、並行的に淡々と証拠調べが行われるスタイルは、フェアでリアリティーがあり推理しがいはあるのですが、反面、物語としては単調になる欠点があるようです。フレンチ警部のように、順次推理しつつ展開していく話とは対極ですね。

No.2 4点 毒を食らわば- ドロシー・L・セイヤーズ 2015/07/06 16:14
このヒ素に関するメイントリックは印象には残りますね(単純だけに)。まったくありえない話なら専門家のクリスティーから一言ありそうなので、科学的なのかもしれません。と言って、みんなが知ってる常識であればミステリーにならないですね。ストーリー展開は平凡で、注釈が多く読みにくいのですが、描写される生活感や文化には雰囲気を感じることもあります。私にはセイヤーズは面白さのポイントが掴みにくい作家ですね。

No.1 7点 ベローナ・クラブの不愉快な事件- ドロシー・L・セイヤーズ 2015/02/24 12:25
デビュー作から順番に読んできましたが、これが一番面白かった。前半は手掛かりがよく示されていて本格度が高いが、簡単に推察できる内容だが、途中でトリック的なものが明かされる。その後別の真犯人を追求するという二層仕立で、楽しめた。後半が、手掛かり少なく安直に解決に向かうのはこの形式ではしょうがないのかな? 

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了然和尚さん
ひとこと
本格ミステリーを中心に研究しています。
古典のビッグ4である クリスティ、クイーン、かー、クロフツを再読を含めて全部読破が目標です。

「気ちがいじゃが仕方がない。」
好きな作家
採点傾向
平均点: 5.53点   採点数: 116件
採点の多い作家(TOP10)
アガサ・クリスティー(30)
カーター・ディクスン(15)
松本清張(13)
ジョン・ディクスン・カー(10)
F・W・クロフツ(9)
エラリイ・クイーン(8)
コリン・デクスター(5)
E・S・ガードナー(5)
ドロシー・L・セイヤーズ(3)
夏樹静子(2)