皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
大泉耕作さん |
|
---|---|
平均点: 6.26点 | 書評数: 65件 |
No.2 | 7点 | ゼロの焦点- 松本清張 | 2012/01/25 16:20 |
---|---|---|---|
『点と線』のプロット構成の巧みに魅了され、友人も読んでいたという事柄が背中を押してこの作品にも目を通しました。
重い雰囲気は相変わらず一貫していて、夫の失踪、浮上する謎の女、女の夫の自殺───と、提示された謎が一線に纏められるさまも、所謂”社会派推理小説”の魅力の一つのようにも思われます。言いかえると、設定背景や人間ドラマや纏まりが売りになっているようにも思われますが────── まあ、 それに夢中になったのですから、自分は。 その夢中になれる要素がこの本に十二分に詰み込まれているように思います。 自分は所謂”本格派”とやらに属する要素の小説のファンのつもりですが、事件の核がしっかりしているこの作品をたいへん気に入りました。 |
No.1 | 8点 | 点と線- 松本清張 | 2011/11/24 16:49 |
---|---|---|---|
松本清張氏はこの作品執筆の際に、かなり念入りに時刻表を読みこんでそこで十五番線が丸出しになるおよそ四分間から、この作品に着手をかけたのではないかと思います。
社会派独特の雰囲気を強調するために困難な文章を飾るかと思いきやいたって簡潔で、またそのためにスピィーディーな読み応えがありす。 トリックがシンプルなのは否めませんが、ヘタな本格よりもこちらの方が比にならぬほどの出来栄えです。 |