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虫暮部さん
平均点: 6.22点 書評数: 1681件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.28 8点 パノラマ島美談- 西尾維新 2016/10/24 10:15
 文体や世界設定のせいもあってミステリとしては薄味なシリーズだが、本作は5つの謎を用意した物量作戦で満腹感高め。

No.27 8点 零崎双識の人間試験- 西尾維新 2016/10/11 08:48
 何度読み返しても、最後の“「助太刀するぜ」”で泣いちゃうんですよ。

No.26 6点 押絵と旅する美少年- 西尾維新 2016/10/03 07:57
 推理小説というより探偵クイズを文庫本1冊分に引き伸ばした感じだが、リアリティ重視では使えないトリックだし、この作者の些細なことを意味ありげに延々読ませるスキルは楽しめるし、このシリーズは“なんじゃそりゃ~”と笑って読めば良いのだろう。悪魔の毒舌がナイス。

No.25 6点 掟上今日子の家計簿- 西尾維新 2016/08/26 10:48
 叙述トリック講座のあとで実践編が示される親切設計。この話はコミカライズ出来るのか?
 今までの同シリーズに比べるとちょっと物足りなかったかな。

No.24 6点 トリプルプレイ助悪郎- 西尾維新 2016/07/14 11:06
 リュパンや二十面相で育った身にしてみれば、大泥棒はひとを殺さないものだと相場が決まっているのである。従って“一回の盗みにつき三人殺す”という設定は掟破り、いやむしろコロンブスの卵?であるが、しかしそれはなかなかぞくりとさせられる妖しさを放っている。叙述トリックそのものはともかく、それを結構無茶な設定と絡ませるところがいかにも西尾維新そしていかにもJDCトリビュート。文体も含めて気持悪さが快い。

No.23 6点 ダブルダウン勘繰郎- 西尾維新 2016/07/08 10:17
 妙にまっすぐな説教臭い部分は少年漫画のよう。清涼院流水のJDCというトゥー・マッチな設定をひらりと躱して上手く手玉に取ってみせた、という印象。ちょっとした台詞の端々でキャラクターを描き出す腕前は見事。

No.22 7点 不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界- 西尾維新 2016/06/30 11:35
 ありふれたネタでもアリに出来る作家と出来ない作家がいるわけで、主題の周囲をぐるぐる回って適当に話を逸らしているかのように見える饒舌を積み重ねていつのまにか読み手を作品世界に絡め取る筆力は、あからさまな名文美文でないゆえにタチの悪い吸引力を誇る。内容的に殆ど空っぽな本作では特に。

No.21 8点 きみとぼくが壊した世界- 西尾維新 2016/06/21 09:57
 これはどうしたって、この小説の為の取材と称して保健室登校の巨乳女子高生とイギリス旅行へ行ったけどとても楽しかった、と言いたいが為に書いた小説、としか思えない。(いや、多分、くろね子さんは架空のキャラクターじゃないかと思うんだ……)そんなわけ、あるかあ!

No.20 8点 きみとぼくの壊れた世界- 西尾維新 2016/06/10 11:28
 ファンの欲目ではあるが、ミステリとしては小粒のネタを核に据え、周囲に分厚くコロモをかぶせて本を一冊でっちあげる、という場合に、そのコロモがこれほど美味い作家というのもそういないと思う。ネタが小粒なのも、コロモを美味しく味わうにはこれ以上入り組んだミステリ要素は邪魔、という冷静な判断なのだろう。本書では夜月が様刻にすがりつくシーンがあまりに印象的。“本の熟成”は私もよくやる。いろいろ敵に回しそうなミステリ談義も楽しい。
 因みに私は、西尾維新式の過剰なネーミングは好きだなぁ。同姓同名が偶然存在して余計なイメージをしょいこむリスクが少ない、と言うメリットもあると思う。

No.19 7点 掟上今日子の婚姻届- 西尾維新 2016/05/23 12:38
 最終章手前まで、一体このどこに謎が潜んでいるのかさえ判らなかったが、小さな違和をあつめてひっくり返す手際が痛快(その痛々しい内容はともかく)。

No.18 7点 屋根裏の美少年- 西尾維新 2016/03/29 12:44
 “神を描いたんだ”という説明はあまりピンと来なかった。

No.17 7点 ぺてん師と空気男と美少年- 西尾維新 2016/01/04 10:17
 “ライバル校の企みを暴け!”て少年漫画か! ミステリ的には薄味だが面白い。この世界設定でこそアリなネタを上手く使っていて、まぁそういう芸風って事で。私は好きです。

No.16 8点 掟上今日子の退職願- 西尾維新 2015/12/30 11:08
 ここまで思い切って色々な要素を省いて骨格だけにしてもちゃんと成立するのは、ミステリのお約束的な部分が実は単なる形式に過ぎないと言っているようだ。どうせダミーに決まっている容疑者のプロフィールとかアリバイとかダラダラ読むのは確かに無駄だよなぁ。それで尚、単なる推理クイズに堕することなく“小説”として読ませる西尾維新の筆力は見事。

No.15 7点 美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星- 西尾維新 2015/10/26 11:45
 西尾維新、なんか色々やりたい放題である。狙ってるなぁと思いつつ乗せられれば爽快。まぁ冷静に見れば一発ギャグみたいなコアのまわりにラノベ的な彩りをぐるぐる巻き付けて長編に仕立てたもの。ぶちこまれるオマケの要素は典型的ではあるが、巧みな文体によってラノベに対する批評にもなっている、とは愛読者の欲目か。〈物語〉シリーズがハーレムものだったのでバランスを取るために美少年山盛りのシリーズを立ち上げたのかと愚考します。

No.14 8点 愚物語- 西尾維新 2015/10/22 11:46
 まだ続く〈物語〉シリーズ、ファイナルシーズンのあとのオフシーズン第一弾だそうです。第一話「そだちフィアスコ」はハードボイルドの新参者ネタを青春小説風にソフトに書いたようなもの。第二話「するがボーンヘッド」は暗号ものなのでミステリと言えなくもない。あくまで西尾節であってミステリとしての面白さとは違うけれど。

No.13 8点 掟上今日子の遺言書- 西尾維新 2015/10/11 11:14
 遺言少女の心情が、私には非常に腑に落ちるものであるのが良かった。
 表紙イラスト、読み終わって見返してみると結構な仄めかしになっている。

 気になった点。松葉杖は、一本だけであれば、怪我をした足(右足)と反対の側に突くのが本来の適切な使い方だが、今日子さんが「右半身に」寄り添ってきた、とある。ギプスに触りたいから(笑)?

No.12 8点 掟上今日子の挑戦状- 西尾維新 2015/08/24 10:37
 「アリバイ証言」がなんか変だ。登場人物の台詞通り、“そんな仕掛けは必要ない”のでは。お湯をちょろちょろ流しても、ドライヤーを直接湯船に浸けても、後始末する人間がいるなら最終的に公開される事件現場は同じでしょう?

No.11 8点 ヒトクイマジカル- 西尾維新 2015/08/19 10:33
 いの字がみいこさん相手に切れる場面が痛くて好き。剣玉の場面も微笑ましくて好き。
 少年漫画みたいな世界観ゆえにOKなトリックを持ち出すあたり、自分が何をやっているかはちゃんと判っていますよ、という感じで良い。

No.10 8点 サイコロジカル- 西尾維新 2015/08/07 09:37
 《堕落三昧》斜道卿壱郎博士の存在感が弱いというかそんな化け物のようには感じられないところが物足りない。博士への畏怖、忠誠、反動、といったものが登場人物の言動に大きく影を落としている割に、本人はこの程度の老人? 研究施設も例えば鴉の濡れ羽島のような異常な場という感じではないし、“特異性人間構造研究”もイメージしづらいので兎吊木垓輔や玖渚友が拘束されることの重さがピンと来ない。全体として、具体的な切迫感があまり感じられないのに、一部の人間だけが妙にテンパっているような印象。
 いーちゃんが犬を殺すシーンが好き。

No.9 8点 クビツリハイスクール- 西尾維新 2015/07/28 11:37
 いくら好きでもこれをミステリとして高く評価するのは難しいが、贔屓目に見るなら小うるさい約束事で自縄自縛になるミステリに対する批評として機能していると言えなくもない。面白いんだからいーじゃん。子荻ちゃんが好きです。

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虫暮部さん
ひとこと
好きな作家
泡坂妻夫、山田正紀、西尾維新
採点傾向
平均点: 6.22点   採点数: 1681件
採点の多い作家(TOP10)
山田正紀(89)
西尾維新(68)
アガサ・クリスティー(63)
有栖川有栖(50)
森博嗣(48)
エラリイ・クイーン(47)
泡坂妻夫(38)
歌野晶午(28)
小林泰三(27)
島田荘司(24)