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ZAtoさん
平均点: 6.55点 書評数: 109件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.10 6点 上野谷中殺人事件- 内田康夫 2009/11/02 23:01
事件そのものは例によって浅見光彦の登場で割とあっさりとカタがつき、
ミステリー小説に相応しい謎もトリックも殆ど見出すことなくエピローグを迎えるという、
いつものペースではあるのだが、新幹線の乗入れ問題や駅再開発のニュースを目ざとく題材にしながら、終戦間際の上野駅周辺での抗争という上野裏面史を掘り下げて物語の骨子にしてしまう技術は巧みであり、何よりも、こうして上野駅について一時でも郷愁に浸らせて長々と思い出話を綴らせる力は健在。
作者得意の「旅情」の術中にはめられた読後感となった。

No.9 7点 津和野殺人事件- 内田康夫 2009/10/21 01:14
母が遠い日に脳裏に焼き付けたという津和野の赤いトンネルの風景。
そこを発端に旅情ミステリーの幕が開くという展開はすごく映像的であり、内田康夫の真骨頂なのだという気がする。

No.8 3点 神戸殺人事件- 内田康夫 2009/10/21 01:12
鵯越えの薀蓄話などは非常に面白く、それが芦屋の資産家に尾形光琳の屏風絵を売りに来た画廊の失踪事件とどう結びつくのか期待を持って読んでいただけに・・・
神戸だからやくざが出てくるというのではあまりに短絡。

No.7 6点 江田島殺人事件- 内田康夫 2009/10/21 01:05
作家が自身の著作にイデオロギーを持ち込むのはまったく自由だと思っているので、
内田康夫の熱意が伝わってくる作品として『江田島殺人事件』は特筆してもいいような気はした。

No.6 4点 軽井沢殺人事件- 内田康夫 2009/10/21 01:04
せっかくの共演ものであるにもかかわらず、不可思議で中途半端なラストも含めて残念な作品だった。

No.5 5点 後鳥羽伝説殺人事件- 内田康夫 2009/10/21 01:02
足どり捜査で得られた証言が何故か捜査に反映されていなかったり、本格推理ものというには要領の得ない部分があったり、伝説ものとしても『戸隠殺人事件』と比べると匂いが薄く、全国の浅見光彦ファンが推すほどには読後の充実感に乏しい印象が残ってしまった。

No.4 6点 北国街道殺人事件- 内田康夫 2009/10/21 00:59
発見される前提の死体遺棄というのは、時間経過によるアリバイ作りと、死体発見による保険金支払いの成立を目的としたものであることは常道みたいなものなのだろうが、願わくはせっかく良寛、一茶と出してきたのだから、『死者の木霊』で紹介された竹村岩男の俳句好きという趣味は生かすべきだったのではないかと惜しまれる。
また、シリーズものの宿命なのかもしれないが、第一作が竹村の執念と人間性で読ませた作品だっただけに、信濃のコロンボが何やら捜査マシーンと化しているのも残念だ。
まぁシリーズの蓄積からくる主人公の成長といってしまえばそれまでだが。

No.3 7点 「信濃の国」殺人事件- 内田康夫 2009/10/21 00:57
殺人の動機が南北を分断された信州独特の地域性にあったなど「事件」としての必然性には首を傾げてしまうものの、長野県人ならば誰もが口ずさむという「信濃の歌」という県歌としての特殊性と、それにまつわる史実に目をつけたのは内田康夫のヒットかも知れない。

No.2 6点 戸隠伝説殺人事件- 内田康夫 2009/10/21 00:56
「見立て殺人」というのは現実ではあまりお目にかかれないということで、小説世界の専売特許なのだろうが、
山々に囲まれた信州の土着性に題材が符合してリアルではないがファンタジー小説として読ませるものはある。

No.1 6点 死者の木霊- 内田康夫 2009/10/21 00:54
冒頭こそいきなりの濡れ場に驚かされたが、処女作にありがちな文章の硬質感や妙な気負いがないのも実年デビューであるためかもしれない。私は面白かったです。

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ZAtoさん
ひとこと
人間の感情や心理、理不尽な社会背景こそがミステリ。
トリック、パズルに特化しすぎただけで、人間やドラマが描けていないもの。
そういうものと推理クイズとの違いがよくわからない。
よって巷でいわ...
好きな作家
黒川博行 高村薫 島田荘司 横山秀夫
採点傾向
平均点: 6.55点   採点数: 109件
採点の多い作家(TOP10)
黒川博行(24)
伊坂幸太郎(11)
内田康夫(10)
東野圭吾(8)
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