皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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ZAtoさん |
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平均点: 6.55点 | 書評数: 109件 |
No.4 | 7点 | 雨に殺せば- 黒川博行 | 2009/10/17 12:56 |
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ユーモアとスピードを信条としながら本格探偵小説の謎解きもしっかりと踏まえながら、事件の背景は綿密な調査とリアリズムでどこまでも重厚という初期の黒川作品の常道が既にこの第二作目で完成されているといっても過言ではないのではないか。 |
No.3 | 6点 | アニーの冷たい朝- 黒川博行 | 2009/10/17 12:54 |
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別のジャンルに飛び込むのではなく、自分の世界にジャンルを引き込もうとするのが、いかにも黒川らしいといえばそれまでなのだが、デート商法とサイコキラーのつなぎ方は少々強引だったような気もする。ここはストレートに女教師とサイコ野郎の対決だけで全編を貫く黒川の筆致も読んでみたいと思った。 |
No.2 | 7点 | 文福茶釜- 黒川博行 | 2009/10/17 12:52 |
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骨董美術となると真贋をめぐって、一攫千金を狙う男たちの知恵と経験と度胸の騙しあいが展開され、
贋作創作の手口の凄まじさもさることながら、関西弁での口撃の応酬、骨董売買の交渉術やハッタリのかましまくりがアクション小説のようなカタルシスをもたらして文句なく面白い。 |
No.1 | 10点 | 疫病神- 黒川博行 | 2009/10/17 12:49 |
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本作の持つスピード感は大阪弁による会話のテンポによるところが大きい。
軽快なイメージの小説かというとそうでもなく、どちらかといえば重厚感が信条の作品かも知れない。 ワルがハイエナのようにカネに群がるピカレスクなノーワルでもあり、ハードボイルドではあるのだが、 書き味はどこまでもホットで泥臭く、それでいてスタイリッシュな美学で一貫している。 |