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江守森江さん
平均点: 5.00点 書評数: 1256件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.10 6点 かんぷらちんき- 梶山季之 2010/06/09 21:59
夜な夜な飲み歩いた取材に基づき、知られざる性癖の世界を紹介しながら、知恵で夜の世界を生き抜く男の半生を描いたピカレスク・ロマン。
主人公が、お金を見ながらでないと興奮しない性癖を利用しながら、次々と女を金儲けに利用する手口と発想は、今でも応用可能だろう。
強姦同然で母娘丼(おやこどんぶり)しながら誑し込む手口や夜の世界で成功する女の見抜き方(気付きのミステリに通じる)など作者の取材力と発想力に感嘆する。
エロ描写も非常にコミカルなので楽しくサラッと読める。

No.9 5点 影の凶器- 梶山季之 2010/03/27 09:03
作者の真骨頂とも云うべき産業スパイ物の一冊。
スパイ方法が会社の重要情報を仕切る重役の秘書を誑し込むセックス・スパイで、現在でも対象相手を選べば通用していると思える位にリアル。
タイトルを「影の凶器」としたセックス・スパイだと悟らせない手口は恋愛にも応用可能で、一風変わった実用書でもある。

No.8 4点 女の警察- 梶山季之 2010/03/27 08:52
和製ハードボイルドと言うか「盛り場ミステリー」で夜な夜な銀座に出没した作者らしい作品。
今読み返すとさほどエロくないのに「猥褻物領布」で略式起訴された曰く付きな作品でもある。
しかし、作者の作品の面白さはエロくてユル〜い方面であると思っているのでシリアスなこの作品は好みではなかった。
シリーズとして何作でも書けそうな主人公を結末で殺してしまう辺りは作者らしい。
※余談
女性の名器の俗称の一つである「ミミズ千匹」はこの作品で世に広まったらしい。

No.7 5点 彫辰捕物帖- 梶山季之 2010/03/07 23:12
色(女)と技(推理)に冴えをみせる刺青師・彫辰が江戸の町を舞台に活躍する連作短編シリーズ。
最初は、その一~その四で出版されたが、復刊では上・中・下に纏め直された(その為、書評では一冊扱いにした)
各話で張り形・媚薬・男色などなど江戸風俗に事件を絡め上手く纏めている。
シリーズが進むに連れて作品の謳い文句が好色時代小説から異色時代小説になった辺りもミステリーしている事を伺わせる。
短編としても短めなので事件のからくりや謎解き自体は薄味なのが惜しい。

No.6 8点 お待ちなせえ- 梶山季之 2010/01/30 01:31
はっきり言って贋作製造を巡る古城での冒険場面以外はミステリー的要素の無い作品。
夫婦関係・画商の世界のドロドロした関係をユーモラスに描いたドタバタ半生記。
実在の画壇人物をモデルにした登場人物達のエピソードだけを読んでも充分に楽しい。
作者最大の持ち味である文学的素養の欠片すら感じさせない大衆的な熱気と新鮮さからくる抜群のリーダビリティが一番発揮されていると思う。
※私的に小説の面白さ、読書の楽しさを認識した原点的作品で無条件に満点(8点)を献上する、但しミステリー的要素の薄さを考慮して思い入れ加点は控えた。
一般大衆小説での採点なら10点。

No.5 7点 非常階段- 梶山季之 2009/11/14 22:25
「夜の配当」の続編にあたり、仕事の規模が大きくなった。
偽装倒産に乗っ取りを裏から操作する。
昭和の高度経済成長期には実際に行われていたのではないかと思えるリアリティがある。
現在でも経済犯罪の手口や本質は変わらないので作者の先見性には驚嘆する。

No.4 7点 夜の配当- 梶山季之 2009/11/14 22:10
平凡なサラリーマンからトラブル・コンサルタントに転じた男の悪漢小説。
法の抜け道を利用して社会を生き抜く作品群の先駆けと云える。
痛快で非常に面白いが現在では法整備も進み通用しない手口になっている(当時は悪用されない為に嘘を混ぜていた)
本質は現在の知能犯罪に通じていて勉強にもなる。

No.3 7点 悪人志願- 梶山季之 2009/11/14 21:59
ピカレスク・ロマンで戦後のドサクサを勝ち抜いた悪党一代記。
悪党の側からコミカルかつスケベに描いている。
このネタで松本清張が書いたら悪党を刑事が追い詰める重い社会派作品になると思える。
作者はシリアスからスケベでコミカルな作品まで幅広くベストセラーを連発した作家でネタの鮮度は群を抜いていた。

No.2 6点 黒の試走車- 梶山季之 2009/05/25 14:05
もう古典扱いでもしょうがないかも知れないが、当時、松本清張とは違う切り口でベストセラーを連発した。
初めて産業スパイをテーマにした記念碑的作品。
今読んでみても色褪せていない。
田宮二郎主演の映画もある。

No.1 5点 夢の超特急- 梶山季之 2009/05/25 13:57
東海道新幹線の新駅を巡る汚職をえぐった作品。
ミステリー色は薄い。
社会派好きな方にお薦め。
松本清張と読み比べるのも一興。

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江守森江さん
ひとこと

※「読書(ミステリ)は趣味で娯楽」「相容れない主張(嗜好)は、どこまでも平行線」を標榜している。
※多くの作品に接する努力として、映像化作品で済ます等々、ファジーな方法を常に模索している(本質的...
好きな作家
高木彬光、天藤真、平石貴樹、古野まほろ (ミステリーに限定しなければ一番は梶山季之...
採点傾向
平均点: 5.00点   採点数: 1256件
採点の多い作家(TOP10)
雑誌、年間ベスト、定期刊行物(52)
高木彬光(32)
梶山季之(30)
アガサ・クリスティー(30)
東野圭吾(28)
事典・ガイド(26)
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芦辺拓(21)
アンソロジー(出版社編)(21)
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