皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
空さん |
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平均点: 6.12点 | 書評数: 1505件 |
No.2 | 7点 | 密告者- 高木彬光 | 2008/12/23 13:01 |
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株での失敗や産業スパイの話など、『白昼の死角』の作者らしい経済派サスペンスとでも呼びたいような発端から、殺人事件が起こって話は謎解きへと移っていきます。
読者には、主人公(前半の)が犯人ではないことがわかっているだけに、霧島検事より有利な立場にあると言えるでしょうが、真相は、そう考えれば無理なくすべてのつじつまが合う、という非常にすっきりしたものになっています。 しかし、検事ともあろう者が単なる詐称を詐欺と言ってしまっては困りますね。 |
No.1 | 9点 | 破戒裁判- 高木彬光 | 2008/12/12 23:23 |
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百谷弁護士シリーズの中でも、ほとんど法廷シーンのみで構成されたこの作品は、神津恭介ものの短編を長編化した作品です。事件の概要はそのままなのですが、水増しで内容が薄まったという感じは全くありません。
犯人が誰かということは、すぐに想像がつくでしょう。トリックと言えるほどのアイディアはありません。裁判劇としての緊迫感、そしてラストに向けて一気に押し寄せる感動の盛り上がりがこの作品のすべてです。著者が目頭を熱くしながら書いたと言うだけのことはある力作です。 |