皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
シュウさん |
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平均点: 6.78点 | 書評数: 141件 |
No.12 | 8点 | 狩野俊介の肖像- 太田忠司 | 2009/01/08 19:52 |
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狩野俊介シリーズ3冊目の短編集です。
主人公の俊介は元々コナン君のように能天気に「犯人はお前だ!」などと糾弾できる性格ではなく、犯人を追い詰めると同時に 自分まで追い詰めてしまうような繊細な少年なのですが、今回の話は主に学校が舞台なので今まで以上に俊介の苦悩が痛々しいです。 いつもなら俊介を悪意から守ってくれる野上さんやアキちゃんもいないですし事件が解決されても結局救いになってないような話も多いですし。 そんな中で最後の「秋雨」は話の面白さはもちろん今までの俊介の苦悩に一つの答えを出す意味でもかなりの秀作だと思いました。 ただあの怪談的な終わり方はどうかなと思いましたが。 |
No.11 | 6点 | 狩野俊介の事件簿- 太田忠司 | 2008/12/10 23:12 |
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シリーズの中ではかなりジュブナイル寄りな感じの短編集です。まあ今までもそんな感じではあったのですが、
これは自分の年齢ではちょっと読み心地が悪かったなあ。いつもは大人も子供も楽しめる本格ミステリって感じなんだけど。 「1時間目 国語-俊介への遺言」は暗号あり格闘ありで面白かったのですが他はそれなりかな。 |
No.10 | 6点 | 玄武塔事件- 太田忠司 | 2008/12/10 23:09 |
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八つ墓村のような雰囲気や人間消失など前半は面白かったのですが、後半野上さんや俊介が登場すると一気に安っぽくなってしまった感じで残念です。
あとがきによると「口当たりをあっさりと、さくさく召し上がれるように仕上げた」とあるのですが、 もっとくどくて濃い味付けの方が食べ終わった後満足できるタイプの作品だったと思うのです。 |
No.9 | 7点 | 狩野俊介の冒険- 太田忠司 | 2008/12/10 00:40 |
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狩野俊介シリーズの短編集ですが長編と違い殺人事件は起きず、日常の謎のような話が多くなっています。
しかしタイトルのわりには野上探偵が主人公の話ばかりなような気が・・・w 冒頭の「硝子の鼠」は日常の謎系の話としてはかなりレベルが高いと思うのですが、他の作品はミステリとしては多少小粒な気がします。 この心地よい作品世界に浸れるという意味ではそれほど悪くはないのですが。 |
No.8 | 8点 | 倫敦時計の謎- 太田忠司 | 2008/12/08 02:15 |
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前作と同様、クイーンのような論理的な作風なのですが、今作はそれに加えて見立て殺人、3人の女性被害者、真犯人像など横溝正史の獄門島の
要素が入っているように思われます。クイーン+横溝ならつまらない訳がありません。前作では少し軽すぎると思った作風も今作は気になりませんでした。 あと今作のラストから犬のダミアンがレギュラーに加わりましたが、狩野俊介シリーズの猫のジャンヌといい太田さん動物好きですね。 まだどういうポジションになるのか分かりませんがその辺もこれからの続編に期待してます。 |
No.7 | 6点 | 上海香炉の謎- 太田忠司 | 2008/12/08 02:01 |
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ちょっと軽い作風だなあと思って読んでたのですが、中盤に登場した三条刑事のキャラクターに惚れてしまいました。
なんて親近感が持てる奴なんだろうかと。丁度その辺から物語も重厚感が増し、読み終わる頃にはすっかりこのシリーズが好きになっていました。 あと国名(都市名?)シリーズというだけあり、クイーンのような論理的な展開が印象に残りました。 そして解説がすがやみつる氏!ゲームセンターあらしの単行本全巻持ってます。関係ないですねすみません。 |
No.6 | 9点 | 夜叉沼事件- 太田忠司 | 2008/12/04 23:13 |
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横溝作品を思わせるような重厚で陰鬱で哀しい話に夢中になって読みました。前作までのトリック中心の館ミステリよりもこういう話の方が好きだな。
登場人物たちもどんどん魅力的になり、ますますこの世界が好きになりました。 そういえばピアノ教室の久野君が思わせぶりに登場したわりにその後出番が無かったのだけれども、これからの作品でフォローされるのだろうか。 その辺含めて続編を読むのが楽しみです。 |
No.5 | 6点 | 幻竜苑事件- 太田忠司 | 2008/11/13 23:30 |
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前作に比べるとちょっと小粒な印象でした。かなりありがちな事件だと思わせておいて最後に意外なオチになるのは上手いんですが。
正直事件よりも野上探偵の俊介養子計画の行方の方が気になって仕方ありませんでした。 |
No.4 | 8点 | 月光亭事件- 太田忠司 | 2008/11/04 23:29 |
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少年探偵といえば某漫画のせいか言葉は悪いですが生意気なガキというイメージなんですが、この作品の狩野俊介少年は非常に純な性格でとても好感が持てました。
そして後見役の野上探偵や喫茶店の看板娘のアキちゃんなど良心的な大人に囲まれているので、安心感を持って読んでいられます。 トリックは恥ずかしながら当てられなかったんですが、解決編のトリックの解説と伏線の回収の鮮やかさになるほどと納得できて気持ちが良かったです。 かなり面白かったので続編も早く読んでみたいな。 |
No.3 | 6点 | 怪人大鴉博士- 太田忠司 | 2008/10/29 00:27 |
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前作より怪人が魅力的なんで面白さが少しアップ。
あと大貫健一の挿絵がいいなあ。 |
No.2 | 6点 | 刑事失格- 太田忠司 | 2008/10/27 22:13 |
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ハードボイルドと本格が融合したような作品。
規律に厳しい巡査が正当防衛ではあるけれど人を殺し、警察から去るというストーリーです。 個人的にハードボイルドが苦手なのと、主人公に最初あまり好感が持てなかったのが原因でちょっと読み難かったのですが、 終盤今まで起きた複数の一見関係無さそうな事件が一つに収束するのはさすが新本格作家という感じで爽快でした。 |
No.1 | 5点 | 新宿少年探偵団- 太田忠司 | 2008/10/07 11:24 |
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乱歩の世界にしてはSF色が強すぎる気もしますが、これはこれで面白いと思います。
なんか物語の導入部って感じなので続編も読んでみたいな。 |