皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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teddhiriさん |
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平均点: 6.75点 | 書評数: 57件 |
No.3 | 9点 | 本格篇「眼中の悪魔」- 山田風太郎 | 2009/03/04 18:37 |
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目玉となるのは連作「誰にでもできる殺人」だろう。連作の仕掛け、操り、手記、女性というものへの問いかけなど作者が好んで扱うテーマが盛りだくさんでまたそのいずれもが巧みに処理されている。そして真相は割とわかりやすいもののラストのシーンはホラーめいた怖さを感じさせる。
他にも「厨子家の悪霊」、「死者の呼び声」、「眼中の悪魔」など傑作ぞろいの作品集。 |
No.2 | 7点 | 凄愴編「棺の中の悦楽」- 山田風太郎 | 2009/03/03 11:35 |
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ミステリーというよりサスペンスや解説者の言うとおり、ノワールなどに分類されるものがメインの作品集。カタストロフィーというしかないオチのものが多くはっきり言って読むことに非常にしんどさを感じた。ただし作品そのものは短編が多く中篇の「誰も私を愛さない」と長編の表題作以外は何とか読み進められる。「誰も私を愛さない」はゴチャゴチャしすぎの感があって流し読みだった。ただし表題作は凄まじいカタストロフを伴っていて面白い。正直、この作品を読むだけでも十分元は取れると思います。 |
No.1 | 9点 | おんな牢秘抄- 山田風太郎 | 2009/02/18 11:36 |
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姫君お竜と名乗る女が小伝馬町の女牢で出会った六人の女たちの無実の罪をはらすために、六つの事件を解明していくというのが基本的なストーリー。その事件に仕組まれた罠やトリックは今見ると古く感じられるものもあるが基本的にバカトリックと言うべき代物で大変楽しませてくれました。
そして六つの事件をつなぐミッシングリンクが解明されたとき、巨大な陰謀が全容を現すという連鎖式ミステリーの傑作でもあります。 |