皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
あびびびさん |
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平均点: 6.33点 | 書評数: 669件 |
No.23 | 6点 | プロフェッショナル- ロバート・B・パーカー | 2015/11/07 12:00 |
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一時、このシリーズを読みすぎて、ワンパターンに飽きが来た。しばらく読んでいなかったが、また読み始めたら、以前より面白く感じた。
探偵スペンサーの魅力が加速して、恋人スーザン、親友ホークとの会話も円熟している。この3人の会話の面白さは、大げさにいえば、一種の麻薬状態になってしまった。アメリカで長きにわたって支持され続けてきたのも、理解できる。 |
No.22 | 7点 | 灰色の嵐- ロバート・B・パーカー | 2015/10/26 00:29 |
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2010年に亡くなったパーカー。ほとんど読みつくした感はあったが、毎年一冊文庫が出ているらしい?この本も2011年10月発行となっている。
スペンサー・シリーズは「水戸黄門」のようなもので、主役の探偵スペンサーに恋人のスーザン、そして黒人の殺し屋ホーク。そのほか、刑事、FBI捜査官、マフィアのボスと、登場人物はほぼ固定されている。 それだけに作品内容が酷似する場合があるが、ファンにとっては、それがまた魅力の一つである。ただ、今回の事件は垢抜けていた。スペンサーの仇敵と言える稀代の殺し屋グレー・マンが、全ページにわたって不気味さを漂わせていた。 このシリーズの一番の読みどころは、スペンサー、スーザン、ホークの3人の会話だが、訳者の方が本当にうまく言葉を並べていて、ハードボイルドの面白さを満喫させてもらっている。 |
No.21 | 6点 | 昔日- ロバート・B・パーカー | 2015/04/02 00:04 |
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ディック・フランシスや、ロス・マクドナルドの翻訳でお馴染みの菊池光さんは、この作者の本もほとんどを手掛けておられたが、お亡くなりになり、加賀山卓朗さんの翻訳だった。ディクスン・カーの火刑法廷や、三つの棺も翻訳されている。
正直、自分は翻訳家の方たちの名前はほとんど見ない。解説をされている翻訳家は少し覚えている。たとえば、ジェフリー・ディヴァーの池田真紀子さんはそうである。 それがなぜ、今回興味を持ったかと言えば、いつものスペンサー・シリーズの会話と違う印象を持ったからである。菊池さんの軽快なタッチを、より軽快にしているような…。ハードボイルドの会話をすごく意識したような…。お蔭で?380ページをサラッと読めた。 本の中身は、事件を通してスペンサーとスーザンの恋物語を原点から掘り起こし、さらに二人は親密になって行くーある意味、集大成のような流れになっている。、黒人の相棒ホークとの友情、さらにヴイニー、チョヨなど、お馴染みのガンマンも総出演して、二人を守り、花を添えている。 |
No.20 | 3点 | 蒼ざめた王たち- ロバート・B・パーカー | 2013/12/03 14:04 |
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探偵・スペンサーシリーズの14作目。久しぶりにスペンサーシリーズを読んだ。あれだけ読んでいたのに、まだシリーズ作品があったんだと、本を手にしたら一気読みだった。
ある新聞社の記者が取材中に殺された。その街は、以前織物工場を経営していた人物が、賃金の安い母国のコロンビアから人を集め、いつの間にか一万三千人の街の人口のうち、五千人がコロンビア人という街になった。しかも、その工場は他の街に撤去し今はない。街は廃れ、コロンビアから麻薬ルートが敷かれたのは当然のごとく?だった。 青果市場を営む「麻薬王」は警察を買収し、街の独裁者になった。新聞社の社主から事件解明を依頼された探偵・スペンサーがその真っ只中へ敢然と乗り込む。いわば定番中の定番ストーリーだが、恋人のスーザン、相棒のホークが持ち味を発揮し、ある意味「水戸黄門」のように終末を迎える。 |
No.19 | 4点 | 二度目の破滅- ロバート・B・パーカー | 2011/05/12 16:35 |
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だいたいがこの作家は女性にすごく甘いが、それもハードボイルドの資質のひとつなのか?
女性探偵だから…というわけでもないが、極悪非道の闇の大親分までが素直に調査に応じるというのは現実味がない。ミステリ的な謎の部分ももうひとつ切れ味を欠いている。 |
No.18 | 5点 | 訣別の海- ロバート・B・パーカー | 2011/03/08 18:10 |
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マサーチューセッツ州パラダイスはヨットのメッカ。そこで毎年一度ヨットレースが開催されるが、そのためパラダイスは治安、風紀が悪くなる。
特に地元の若い女性がその雰囲気にのまれて起こるレイプ、殺人。ある女性が海岸に死体で打ち上げられたが、その謎はマイアミまで持ち込まれた。警察署長が自ら事件解決に奔走する。 |
No.17 | 6点 | ユダの山羊- ロバート・B・パーカー | 2011/03/08 17:58 |
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ロンドンで家族をテロリストの爆弾で殺された財産家が、「警察の捜査は生ぬるい。私は金はあるが希望がない」と、犯人探しをスペンサーに依頼する。
捜査を引き受け、ロンドンに飛んだスペンサーは独自の捜査でテログループに接近し、相棒のホークも呼び寄せてグループの壊滅を図る。 ただ、物語的にはおもしろかったが、これだけスケールの大きい事件になると、ハードボイルドではなくなってしまうなあ。 |
No.16 | 7点 | 悪党- ロバート・B・パーカー | 2011/02/28 12:14 |
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ふだつきの悪がレイプ殺人の容疑者として逮捕されて数年。その時の若き女性弁護士が、「あの時は私のキャリア不足で、彼は犯人ではない」と再調査の依頼。
スペンサーが立ち向かうのは、警察署員を巻き込んだ巨大悪だった…。 |
No.15 | 4点 | 容赦なき牙- ロバート・B・パーカー | 2011/02/19 12:40 |
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スペンサーシリーズのホーク的な存在、殺し屋のクロウが出て楽しみは多くなっているが、どうも展開的な切れ味が悪い。
警察署長がそこまで妥協していいのか…と突っ込みたくなる場面が数多くあるし、周囲の男女が簡単に関係を持つのも物語の流れを止めている感じ。 さらに元妻のジェーンがニュースキャスターと言う立場を署長に押し付けるシーンも澱んでいる。 |
No.14 | 6点 | 拡がる環- ロバート・B・パーカー | 2011/02/16 13:21 |
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上院に打ってでようというアリグザンダー下院議員の警護を引き受けたスペンサーは、彼から驚くべき事実を打ち明けられた。何者かが妻のあられもない姿が映っているビデオを送りつけてきたというのだ。
その議員は妻を愛しており、もしもの場合は政治から引退してもいいとまで言う。それならとスペンサーは政治ライバル周辺の事情を調べていくが、やはりその道に続くのは暗黒街だった。 その時、恋人スーザンは長期出張でめずらしくスペンサーは弱音を吐く。 |
No.13 | 7点 | チャンス- ロバート・B・パーカー | 2011/02/16 12:57 |
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今回の舞台はラスヴェガス。ギャングの縄張り争いを背景にスペンサーとホークがクールに、熱く、闘う。
今回はわりとストレートな、王道を行くストーリー展開。おなじみの登場人物たちの会話も十分に堪能できる。 相変わらず女性の嘘に甘く、だまされるスペンサー。 即、実力行使が持ち味のホークはそれでも辛抱強く、スペンサーを支持し、自分の役割を全うする。 その相対性の微妙な部分がこのシリーズの魅力かも。 |
No.12 | 8点 | 影に潜む- ロバート・B・パーカー | 2011/02/13 00:18 |
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各地を転々とし、無差別に快楽殺人を繰り返す夫婦を追い詰める人口2万人のパラダイス署長ジェッシィー。
今回はレイプされた少女を巡る問題も同時進行、面白い展開になっている。 しかし、相変わらず元妻ジェーンのわがままに振り回される展開があり、そこは飛ばして読む…。 |
No.11 | 6点 | スクール・デイズ- ロバート・B・パーカー | 2011/02/07 18:13 |
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アメリカで頻繁に起こる?学校内での乱射事件。その一人の祖母に、「うちの孫はやっていない」と、真相解明の依頼を受ける。
そのため、学校内でのボスや、その身内(ギャングの兄)とトラブルになるが、あくまでもスペンサーはわが道を行く。元ボクサーだが、「引退しても訓練を積んでいるからまず喧嘩は負けない」という自信。しかし、どこか謙虚で純情なスペンサーはその背景を暴き出す。 |
No.10 | 5点 | ドリームガール- ロバート・B・パーカー | 2011/01/31 13:47 |
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地獄の境遇から救った女の子がある日事務所を訪ねてきた。今や成人の女性として美貌と知性を兼ね備えているように見えたが、その内面は腐り切っていた。
会うたびに嘘をつかれ、利用されていただけのスペンサーだが、それでも彼は見捨てない(腹が立つほど)、しかし2件の殺人事件が起こり、その女性が依頼してきた内容が明らかになる。 「信用」を第一にする探偵業、スペンサーは苦悩しながらも、辛抱強く事件に立ち向かうが、いつものスカッとした読後感はなかった。恋人スーザン、相棒ホークの切れ味も悪い。 |
No.9 | 6点 | スターダスト- ロバート・B・パーカー | 2011/01/25 16:16 |
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このところスペンサー・シリーズばかり読んでいる。英語のテキストに適しているらしいが、本当に読みやすく、この本も4.5時間で読んだ。
今回は絶大な人気を誇る女優が酒と麻薬に溺れ、精神不安定の中、その原因を調査するために精神鑑定士である恋人のスーザンとともに依頼される。 例によってあっと驚く仕掛けはないが、相棒のホーク、さらに殺人課警部補らとともに、真相を突き止める流れの小気味よさは、当分求めてやまないかも。シリーズは40冊近くある。 |
No.8 | 7点 | 失投- ロバート・B・パーカー | 2011/01/22 13:04 |
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ボストンで活躍する探偵スペンサー。確かシリーズの3作目だが、このあたりから躍動感が増し、アクションが多くなる。
レッドソックスの大投手に八百長疑惑、その真意を確かめるために雇われたが、その原因は家族にあった。そのため、ギャングと対決することになったスペンサーは威風堂々、正面から向かって行く。 恋人スーザンとの会話も軽快になっている。 |
No.7 | 5点 | 沈黙- ロバート・B・パーカー | 2011/01/21 12:38 |
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今回は恋人スーザンの依頼で友人のストーカー問題と、相棒ホークの依頼(こちらが主題?)を当然無償で調査をする。
ストーカーの方は相手の女性にスーザンそっちのけで惚れられ、自分本位の女性心理に振り回されるが、逆にスーザンとの愛を深める結果になった。 ホークの方は殺人事件を捜査するうちに同性愛が原因で発覚した事件だと言うことが分かり、少々内向的なシーンが続く。いつものカラッとした流れではなく、読後感がもうひとつだった。 |
No.6 | 4点 | 秘められた貌- ロバート・B・パーカー | 2011/01/17 17:46 |
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探偵スペンサーシリーズから離れ、別のシリーズを読もうとこの本を選んだ。マサチューセッツ州の小さな町、パラダイスの警察署長が主人公のジェッシィ・ストーンシリーズである。
他にこの作者は女性の探偵・サニーランドルシリーズもあるが、そのサニーランドルとは恋仲であり、物語に登場する。もうひとり、主人公には別れた前妻がおり、この女性となかなか手が切れない。 まだこのシリーズは一冊読んだだけだから把握できていないが、事件の合間にこの三角関係について多くのページが割かれている。そのせいか、殺人事件の関心は希薄になり、もうひとつミステリとしての緊迫感がない。 シリーズ6冊目というから、おそらくずっとこんな感じなのだろう?それならなかなか手が出せない。 |
No.5 | 7点 | 背信- ロバート・B・パーカー | 2011/01/13 16:43 |
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スペンサーシリーズの31作目らしい。思いつくまま順不同で読んでいるけど、スペンサーを取り巻くレギュラー陣の魅力は読む度に増している。特に親友のホークと恋人のスーザンは、このシリーズには不可欠の人物。
今回も美人の依頼人が事務所に来た時から事件が始まる。アメリカでも有数の企業で代表を務める男の妻だが、その男はまもなく殺されてしまう。 そこから事件にのめり込んだスペンサーは巨大企業の腐敗を浮き彫りにさせ、その核心を突くのだが、事件そのものより、レギュラー陣の結束の固さを改めて感じさせてくれた。それが実に楽しかった。 |
No.4 | 8点 | キャッツキルの鷲- ロバート・B・パーカー | 2010/12/29 00:46 |
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探偵・スペンサーの恋人だっスーザンが西海岸に行き、しかも恋人まで作ってしまった。そのスーザンは、やはりスペンサーのことを忘れられず、心理的葛藤に苦しみ、その恋人と別れたいためにスペンサーの相棒であるホークにSOSを出す。
しかし、その恋人はアメリカ有数の大金持ちで、罠にかけられたホークは留置場に入れられてしまう。やむなく恥をしのんでスーザンはスペンサーにSOSを出す。 ホークを助け、そして巨大組織に立ち向かうスペンサーとホーク…。もはや私立探偵の枠を超えて、007並のストーリーになってしまったが、この3人の存在感はいつまで経っても色褪せない。会話のテンポの良さが、実に爽快だ。 |